はさまれ・巻き込まれ事故は、工場の機械、建設現場の重機、トラックや荷役作業などで発生しやすい労災事故です。
指の切断、骨折、神経障害、可動域制限など、仕事や日常生活に長く影響する後遺障害が残ることもあります。
労災保険の給付を受けることは、もちろん重要です。しかしながら、労災保険だけでは慰謝料や逸失利益が十分に補償されないことがあります。会社の安全対策や作業手順に問題があった場合は、会社への損害賠償請求も検討する必要があります。
- 1. はさまれ・巻き込まれ事故は労災になる?
- 1.1. こんなケースが多い!はさまれ・巻き込まれ事故の例
- 1.2. はさまれ・巻き込まれ事故はなぜ起きる?
- 1.3. はさまれ・巻き込まれ事故の労災認定
- 2. はさまれ・巻き込まれ事故後に残しておくべき証拠
- 3. はさまれ・巻き込まれ事故で多いケガ・後遺障害
- 3.1. 手足、指の切断
- 3.2. 腕、脚の骨折
- 3.3. 胸腹部の内臓の損傷
- 4. 労災保険だけでは補償が不十分なことがある
- 5. 会社に損害賠償請求できるケース
- 6. 元請事業者に損害賠償請求できる場合がある
- 7. 弁護士に相談した方がいいケース
- 8. はさまれ・巻き込まれ事故の被害に遭ったら弁護士に相談を
はさまれ・巻き込まれ事故は労災になる?
はさまれ・巻き込まれ事故は、工場や建設現場などで作業中に、重機や機械の可動部に衣服・手足・身体が巻き込まれる事故です。重篤な後遺障害や死亡に至る事故もあります。
機械作業のはさまれ・巻き込まれ事故の半数以上は、保守作業やトラブル対応といった非定時作業時に発生しています。また、約半数は経験年数が5年未満の労働者による事故です。
厚労省が発表した「令和6年度の労働災害の発生状況の分析等の概要」によると、死亡者数は110人で3位です。死傷者数は13,550人で4位です。
製造業、建設業、陸上貨物運送業で発生する労働災害の中で、上位を占めています。特に、製造業では、全体の18%を占め、最も多い事故類型となっています。

こんなケースが多い!はさまれ・巻き込まれ事故の例
よくあるはさまれ・巻き込まれ事故には、以下のような事故があります。

以下の業種ごとの「はさまれ・巻き込まれ事故」の記事も参照
はさまれ・巻き込まれ事故はなぜ起きる?
はさまれ・巻き込まれ事故の主な原因は、以下のとおりです。
はさまれ・巻き込まれ事故の労災認定
業務中に機械・重機・荷役作業などで発生したはさまれ・巻き込まれ事故は、労災事故として認められることが多い類型です。
もっとも、会社が労災申請に協力しない場合、事故状況を「本人の不注意」と説明している場合、事故原因や責任関係が争われる場合には、早い段階で証拠を確保しておくことが重要です。
はさまれ・巻き込まれ事故後に残しておくべき証拠
はさまれ・巻き込まれ事故で多いケガ・後遺障害
はさまれ・巻き込まれ事故は、以下のようなケガが多いです。
手足、指の切断
機械・プレス機などに巻き込まれて、手足や指を切断してしまうことがあります。労災保険の後遺障害としては、切断した部位や失った指の本数によって、後遺障害等級が決まります。
腕、脚の骨折
機械やプレス機にはさまれて、腕や脚を骨折することがあります。骨折した骨がきちんとくっつかずに、可動域制限が残る場合があります。また、骨折後に痛みや痺れといった神経症状が残る場合があります。
関節の可動域制限が後遺障害として認めれるには、①一定程度の関節の可動域制限と②関節の可動域が制限される原因となる器質的損傷があることが必要です。
胸腹部の内臓の損傷
機械やプレス機にはさまれて、肝臓・腎臓などの臓器を損傷することがあります。胸腹部の臓器の損傷は、損傷の程度によって後遺障害として認定されることがあります。
労災保険だけでは補償が不十分なことがある
労災保険は、事故の原因にかかわらず、国から最低限の補償を受けられる制度です。はさまれ・巻き込まれ事故の発生について、会社に安全配慮義務違反があった場合は、会社に対して、損害賠償請求できます。
| 労災保険 | 会社への損害賠償 | |
| 目的 | 迅速かつ公正な保護のため必要な補償を行う | 被った損害の賠償 |
| 条件 | 業務中のケガ又は通勤途中のケガ | 会社に過失(安全配慮義務違反)がある場合 |
| 休業損害 | 平均賃金の60% (特別支給金を含めて80%) | 100% (労災保険の休業補償給付は控除) |
| 慰謝料 | 支給されない | 請求可能 |
上記の表のように、労災保険では補えない部分があります。つまり、労災保険で十分とは限らないのです。労災保険で補償されない部分については、会社に対する損害賠償請求を検討することになります。
会社に損害賠償請求できるケース
はさまれ・巻き込まれ事故の発生について、会社に安全配慮義務違反がある場合は、会社に対して、損害賠償請求が認められます。
以下のような場合、会社の安全配慮義務違反が認められる可能性が高いです。

以下の「会社に対して損害賠償請求したい方」も参照
会社に対して損害賠償請求したい方
労災事故の被害に遭ったけど会社に損害賠償請求できる?損害賠償の相場は?労災事故で会社に対する損害賠償のよくある疑問を解説します。 労災事故で会社に損害賠償請求できる? 仕事中にケガをして、労災保険から給付を受けたけど、 […]
元請事業者に損害賠償請求できる場合がある
建築業の下請、二次下請の従業員が、建築現場ではさまれ・巻き込まれ事故の被害に遭った場合は、元請事業者に損害賠償請求できる場合があります。
下請事業者の労働者が、作業中にはさまれ・巻き込まれ事故に遭った場合、元請事業者が当然に、損害賠償義務を負うわけではありません。
下請事業者の労働者が、元請事業者から指揮・監督を受けている場合や元請事業者が管理する設備・機械等を使っていた場合など、特別の社会的接触関係が認められる場合は、元請事業者の下請事業者の労働者に対する安全配慮義務が認められます。

元請事業者に対する損害賠償請求については、以下の記事も参照
弁護士に相談した方がいいケース
以下のいずれかに当てはまる場合は、弁護士に相談するのをお勧めします。
- 会社が「本人の不注意」と言っている
- 指の切断・骨折・神経症状がある
- 後遺障害が残りそう
- 労災にはなったが、会社が賠償に応じない
- 元請・下請が絡んで責任関係が複雑
- 事故状況の証拠が会社側にある
はさまれ・巻き込まれ事故の被害に遭ったら弁護士に相談を
はさまれ・巻き込まれ事故では、労災保険の請求だけでなく、後遺障害の認定、会社への損害賠償請求、元請事業者の責任、事故状況の証拠収集が問題になることがあります。
特に、指の切断、骨折、神経症状、可動域制限などが残っている場合、将来の仕事や収入に大きく影響する可能性があります。
- 「会社から本人の不注意と言われている」
- 「労災にはなったけれど、このままでいいのか不安」
- 「後遺障害や慰謝料について知りたい」
このような場合は、一度、弁護士にご相談ください。

労災の不安、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です
仕事中のケガ、後遺障害、会社への損害賠償請求など、状況を整理するところから弁護士が伺います。
「初回相談無料」「大阪・淡路駅前」「事前予約で夜間・土日祝も相談可能」

