労災の相談は法律事務所エソラ

労災に強い大阪・淡路駅前の法律事務所エソラ

事前予約で夜間・土日祝日の相談も可能です06-6195-6503受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

初回無料相談のメールでの申込みはこちら お気軽にお問い合わせください。

切れ・こすれ事故の労災-手指切断・神経損傷などの後遺障害と会社への損害賠償-


 仕事中に、カッターや包丁で手を切った。工場の機械の刃に触れて指を切断した。清掃中にガラス片で深い傷を負った…

 切れ・こすれ事故は、一見すると軽いケガに思われることがあります。しかし、傷が深ければ、手指の腱や神経が損傷し、指が動かしにくい、感覚が戻らない、強い痛みが続くといった後遺障害が残ることがあります。

 仕事中の事故であれば、本人に不注意があったとしても、労災保険の対象外になるわけではありません。また、事故の原因について会社に安全対策上の問題があれば、労災保険とは別に、会社への損害賠償請求できる場合があります。

 切れ・こすれ事故に遭った場合に知っておきたい、労災認定、後遺障害、証拠の残し方、会社への損害賠償について解説します。

ウサラ

仕事中にカッターで手を切っちゃったんだけど、ボクが滑らせたから労災にはならないのかな?

にゃソラ

本人に不注意があっても、仕事中の事故なら、それだけで労災にならないわけじゃないよ。

ウサラ

会社からも「お前のミスだから労災じゃない」って言われたんだけど…

にゃソラ

労災かどうかを決めるのは会社じゃなくて労働基準監督署なんだ。
しかも、傷が深いと腱や神経を損傷して、後遺障害が残ることもあるよ。

ウサラ

ただの切り傷だと思って、我慢しない方がいいんだね。

にゃソラ

うん。治療を受けるだけじゃなく、事故の状況や機械・工具の状態も早めに記録しておくことが大切だよ。

 切れ・こすれ事故は、刃物、工具、機械の刃、ガラス片、金属片、材料の鋭利な部分などに接触し、身体を切ったり、こすったりする事故です。

 小さな傷でも、深く神経を損傷したり、細菌感染が起こることがあります。手指・足指の切断や神経損傷があれば、重篤な後遺障害が残ることもあります。作業内容から、一見すると、軽く見られてしまいがちな事故類型です。

 厚労省が発表した「令和7年度の労働災害の発生状況の分析等の概要」によると、死傷者数は7,245人で労働災害全体の5.4%を占めています。発生件数は、事故類型別で4位となっています。製造業、建設業、小売業、飲食店で多い事故類型です。

 よくある切れ・こすれ事故には、以下のような事故があります。

製造業

製造業の切れ・こすれ事故の例

プレス機、切断機、スライサーなどの刃に触れた

機械の清掃、調整、詰まり除去中に刃が動いた

金属板や部品、ガラスなどの鋭利な部分で手を切った

にゃソラ

以下の「製造業で刃物やカッターで手を切った…これって労災になる?」も参照

建設業

建設業の切れ・こすれ事故の例

電動工具やカッターで手指を切った

解体作業中にガラス片や金属片で負傷した

金属部材や資材の角で皮膚を損傷した

にゃソラ

以下の「建設現場での切れ・こすれ事故は労災になる?」も参照

建設現場での切れ・こすれ事故は労災になる?

建設業における切れ・こすれ事故について解説します。

小売・飲食業

小売・飲食業の切れ・こすれ事故の例

包丁やスライサーで手指を切った

段ボールの開封中にカッターが滑った

割れた瓶や食器を片づけていて手を切った

清掃・廃棄物処理業

清掃・廃棄物処理業の切れ・こすれ事故の例

ごみ袋の中のガラス片や刃物で負傷した

安全に分別されていない廃棄物で手足を切った

設備の鋭利な部分に接触した

 切れ・こすれ事故には、労働者本人の操作ミスだけでなく、機械や工具、作業方法、教育体制など、複数の原因が関係していることがあります。

切れ・こすれ事故の原因

①安全カバーの未装着

②保護具(手袋など)の未着用・不適切な着用

③工具・刃物のメンテ不良

④鈍った刃物や工具を無理に使い続ける

⑤不安定な体勢での作業

⑥作業手順の不備・慣れ

⑦照明が暗い、作業スペースが狭いなど、作業環境に問題があった

 「自分が手を滑らせたから」と思っていても、その背景に、会社の安全管理上の問題が隠れていることもあります。

 切れ・こすれ事故は、主に、機械や刃物などを扱う作業中に発生します。手指・足指の切断(欠損)や、神経・腱の損傷といったケガが生じます。

手指の切断・欠損

 カッター、プレス機、丸ノコなどの刃物に巻き込まれ、手指の一部又は全部を失うことがあります。

 手指の欠損は、失った指の種類、本数、失った範囲によって、労災保険の後遺障害等級が判断されます。

腱の損傷による運動障害

 手指には、指を曲げる屈筋腱と、指を伸ばす伸筋腱があります。深い切り傷により、これらの腱を損傷することがあります。

 腱を損傷すると、指を曲げられない、伸ばせない、細かい作業ができないといった機能障害が残ることがあります。

神経損傷による感覚障害

 傷が深く神経まで損傷すると、しびれ、感覚低下、知覚過敏、痛みなどが残ることがあります。

 外見上は傷が治っていても、指先の感覚が戻らず、仕事や日常生活に支障が残ることがあります。また、治療後も強い痛みが続く場合には、その症状が後遺障害として評価されることがあります。

にゃソラ

後遺障害については、以下の各記事も参照

労災事故で後遺症が残ったらどうなる?

労災事故で後遺症が残った場合の労災保険の補償や手続きを解説します。

労災の後遺障害の認定

労災保険における後遺障害の認定を解説します。

 仕事中に刃物や機械で負傷した場合は、原則として業務災害として労災保険の対象になります。

「自分がカッターを滑らせた」「確認せずに機械に手を入れた」など、労働者に不注意があったとしても、それだけで、労災保険の給付が否定されるわけではありません。

 労災保険の目的は、事故の責任を追及することではありません。仕事によって負傷した労働者に適切な補償することにあります。

 ただし、事故が本当に業務中に発生したのか、どのような作業をしていたのかについて争いがある場合には、事故状況を裏付ける証拠が重要になります。

 労災かどうかを決めるのは会社ではなく、労働基準監督署です。

 会社が「本人のミスだから労災ではない」「軽いケガだから健康保険を使ってほしい」などと言っても、労災保険の対象外になるわけではありません。

 会社が労災保険の請求書に事業主証明をしてくれない場合でも、労働基準監督署に事情を説明して、労災保険を請求することができます。

にゃソラ

以下の「労災にしたら会社に迷惑がかかる?-申請をためらわなくていい理由-」も参照

労災にしたら会社に迷惑がかかる?-申請をためらわなくていい理由-

仕事中のケガで労災を使うと、会社に迷惑がかかるのではと不安になる方へ。労災申請は労働者の権利であり、会社が労災かどうかを決めるわけではありません。会社が嫌がる理由、労災隠し、会社が協力してくれない場合の対応を弁護士が解説します。

 切れ・こすれ事故では、事故後に機械が修理されたり、工具が交換されたりすると、事故当時の状態を確認できなくなることがあります。

 可能であれば、以下のような資料を確保しておくといいでしょう。

  • 事故に使用した機械、工具、刃物の写真
  • 安全カバーや安全装置の状態が分かる写真
  • 事故報告書、作業日報、勤務記録
  • 作業手順書、安全マニュアル
  • 会社から出された作業指示
  • 機械等のメンテナンスの実施状況が分かる資料

 切れ・こすれ事故の発生について会社に安全配慮義務違反があれば、労災保険とは別に、会社に損害賠償請求できる場合があります。

 労災保険では、慰謝料は支給されず、休業による減収や後遺障害による将来の減収もすべて補償されるとは限りません。会社に安全配慮義務違反がある場合は、労災保険で補償されない損害について、会社への損害賠償請求を検討します。

 なお、労災保険では本人の不注意だけを理由に給付が否定されるわけではありませんが、会社への損害賠償請求では、被災した労働者の不注意が過失相殺として考慮されることがあります。

 以下のような場合は、会社の安全配慮義務違反が認められる可能性が高いです。

切れ・こすれ事故で安全配慮義務違反が認められる例

①機械に必要な安全カバーや安全装置を設置していなかった

②安全装置を無効化した状態で作業させていた

③機械に不具合があり、会社が把握していた

④鈍った刃物や工具で作業をさせていた

⑤保護具を着用させずに、作業を行わせていた

⑥機械を停止せず、清掃、調整、詰まり除去をさせていた

⑦安全教育が十分に行われていない

にゃソラ

以下の「労災で会社に対して損害賠償請求したい方」も参照

労災で会社に対して損害賠償請求したい方

労災と認定されて労災保険の給付を受けても、慰謝料や将来の収入減少まですべて補償されるわけではありません。会社に安全配慮義務違反がある場合、会社や元請会社に損害賠償請求できる可能性があります。

 次のような場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

  • 会社が労災申請に協力してくれない
  • 会社から本人の不注意だと言われている
  • 手指の切断、腱・神経損傷など重いケガを負った
  • 指が動かしにくい、感覚が戻らないなどの症状が残っている
  • 会社から示談書や確認書への署名を求められている
  • 会社への損害賠償請求を検討している

 切れ・こすれ事故は、「自分が手を滑らせただけ」「それほど大きな事故ではない」と軽く考えられがちです。

 しかし、手指の腱や神経を損傷すると、指を動かしにくい、細かい作業ができない、感覚が戻らないなど、仕事や日常生活に長く影響が残ることがあります。

 大切なのは、早期に適切な治療を受けること、事故状況の証拠を残すこと、後遺障害や会社への損害賠償まで含めて補償を検討することです。

 重いケガを負った場合や、会社の対応に疑問がある場合は、一人で判断せず、労災に詳しい弁護士へご相談ください。

ウサラ

自分のミスがあっても、仕事中の事故なら労災を諦めなくていいんだね。

にゃソラ

うん。それに、切り傷に見えても腱や神経を損傷していることがあるから、症状をきちんと医師に伝えることが大切だよ。

ウサラ

会社の安全対策に問題があった場合は、損害賠償も考えられるんだよね?

にゃソラ

そうだね。事故直後の機械や工具の状態が重要になるから、まずは治療を優先しながら、できるだけ早く証拠も残しておこう。

労災の不安、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です

仕事中のケガ、後遺障害、会社への損害賠償請求など、状況を整理するところから弁護士が伺います。

「初回相談無料」「大阪・淡路駅前」「事前予約で夜間・土日祝も相談可能」

Back to top