労災事故の中で件数の多い動作の反動・無理な動作の事故のポイントを解説します。
動作の反動・無理な動作の事故とは?
重い荷物を持ち上げたり、不自然な姿勢で作業した際の「反動」や「無理な動作」で生じる事故類型です。
厚労省が発表した「令和5年度の労働災害の発生状況の分析等の概要」によると、死傷者数は22,053人で2位となっています。
製造業、陸上貨物運送業、小売業、社会福祉施設で発生する労働災害の中で、上位を占めています。
特に、介護施設等の社会福祉施設では、全体の34.7%を占め、最も多い事故類型となっています。

こんなケースが多い!動作の反動・無理な動作の事故の例
よくある動作の反動・無理な動作の事故には、以下のような事故があります。
動作の反動・無理な動作の事故はなぜ起きる?
動作の反動・無理な動作の事故の主な原因は、以下のとおりです。
動作の反動・無理な動作の事故の労災認定
動作の反動・無理な動作による腰痛、業務上腰痛を例にします。業務上腰痛には、①災害性腰痛と②非災害性腰痛の2種類があります。
①災害性腰痛は、業務中の転落や転倒等が原因による急性の腰痛です。典型は、ぎっくり腰です。
転倒など腰の負傷を原因とする場合、重量物の取扱い作業中に不自然な姿勢をとったことが原因の場合などが災害性腰痛の典型です。
災害性腰痛は、腰痛の原因が明らかなことが多いので、労災認定で問題になることは少ないでしょう。
なお、災害性腰痛の典型のぎっくり腰は、基本的に労災と認定されません。ぎっくり腰は、日常生活と労働の場及び腰部に作用した力の程度にかかわらず、無差別に発症するので、労働との関連がうすいとされているからです。

ただし、労災と認定されるのは、医師により療養が必要と判断された場合のみです。
②非災害性腰痛は、重量物の取扱い業務などの腰部に過度の負担がかかる業務に、長期間従事することによって発症する慢性的な腰痛です。
一般的に、非災害の疾病の労災の認定は、その判断に困難が伴います。その理由は以下のとおりです。
動作の反動・無理な動作の事故で会社に損害賠償請求できる?
動作の反動・無理な動作の事故の発生について、会社に安全配慮義務違反があれば、会社に損害賠償請求できます。
労災保険の給付のみでは、補償として、不十分なので、会社へ損害賠償請求できるか?を検討しましょう。
裁判例では、厚労省の通達やガイドラインの内容を参考に、会社の安全配慮義務を設定しています。
以下のような義務に違反していると、損害賠償が認められる傾向にあります。
動作の反動・無理な動作の事故の被害に遭ったら弁護士に相談を
動作の反動・無理な動作の事故は、労災の認定が問題になる事故類型です。また、会社に損害賠償請求できる場合があります。
労災の請求や会社との交渉、その後の訴訟などの手続きを被災労働者本人が、一人で手続き進めていくのは、困難でしょう。
弁護士は、労災の認定基準や損害賠償の専門知識を持っています。労災保険の請求のみならず、会社への損害賠償請求についても会社との交渉から訴訟まで、労災の全ての手続きに対応できます。
動作の反動・無理な動作の事故の被害にあった労働者の方は、ぜひ、一度、ご相談ください。
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