法律事務所エソラで解決した事例の中から、400万円の損害賠償を獲得した事例を紹介します。
労災事故の概要
ユニッククレーンで廃ベッドの積み込み作業中にトラックの荷台後方約1メートルの高さから落下し、負傷した。
傷病名
上記事故により、被災労働者は下記の傷害を負いました。
傷病名
①左橈骨頭骨折
②両手関節部打撲傷
③左大腿打撲傷
このうち、①を原因とする外傷性肘部管症候群により、左ひじから手指にかけての痺れ等の後遺障害が残りました。
原処分庁(労基署長)の認定
原処分庁である労基署長は、被災労働者の後遺障害について、「左肘関節周囲に残る疼痛は、ほとんど常時残るものの、通常の労務は可能」として後遺障害等級14級の9の「局部に神経症状を残すもの」と認定しました。
この決定に際して、労災医員の意見は、診断書の内容や画像に何ら触れておらず、原処分庁の判断は不服であるとして、審査請求を行いました。
審査請求の結果
審査請求の結果、当方の主張が認められ、後遺障害等級は12級の12の「局部に頑固な神経症状を残すもの」と認定されました。
労災保険審査官は、被災労働者の症状が日常生活はもとより労働に支障が生じる神経症状が存在すること、画像所見、検査所見、主治医意見書などから原処分を取消し、後遺障害等級12級の12の「局部に頑固な神経症状を残すもの」と認定しました。
使用者に対する損害賠償請求
審査請求後、使用者に対する損害賠償請求を行いました。使用者は責任を否定したため、訴訟に至りました。
訴訟においては、①トラックの荷台上での廃ベッドの積み込み作業が危険な業務であること、②使用者が作業に関して何ら指示や指導をしていないことなどから使用者の賠償責任が認められるとの裁判官の心証が開示され、最終的に400万円の支払で和解が成立しました。