労災保険を使った場合、病院の治療費の支払いは、どのようになりますか?
労災保険から治療費が支給される
労働災害による傷病の治療は、労災保険から療養(補償)給付又は療養(補償)給付たる費用の支給が行われます(労災保険法13条、22条)。
したがって、労働者は自費で治療を受ける必要はありません。
労災の指定病院かどうか
医療機関には、①労災指定医療機関と②指定医療機関でない医療機関があります。労災で治療を受ける場合、どちらの医療機関で治療を受けるかによって、手続きが異なります。
①労災指定病院の場合
治療を受けた医療機関が労災の指定病院の場合、医療機関に療養補償給付の請求書を提出することで、労働者は無料で治療を受けることができます。医療機関が直接、労災保険から治療費の支払いを受けることになります(労災保険法規則11条)。この現物給付である療養補償給付が、原則です。
②労災指定病院ではない場合
近隣に、労災指定病院がないなどの事情で、労災指定病院以外の医療機関で治療を受ける場合もあります。この場合は、医療機関が直接、労災保険から治療費の支払いを受けることはできません。
労働者は、医療機関に治療費を支払う必要があります。その後、労働者は、支払った治療費を療養補償給付たる療養の費用請求書を労基署に提出し、労災保険から支払いを受けます(労災保険法施行規則11条の2)。
このように、労災指定病院ではない場合は、いったん、労働者が治療費を立て替える必要があります。なお、労災指定病院以外であっても、労災保険点数で治療費は算定されます。