厚労省から平成30年度の「脳・心臓疾患の労災補償状況」が公表されています。その概要を紹介します。
平成30年年度 脳・心臓疾患の労災補償状況
平成30年度は、877件の請求件数に対し、689件について労災かどうか?の決定がなされました。労災と認定されたのは238件で、認定率は34.5%でした。
その内、過労死は、254件の請求件数に対し、217件で労災かどうか?の決定がなされました。労災と認定されたのは82件で、認定率は37.8%でした。
ちなみに、脳・心臓疾患の労災の請求件数は、平成29年度より37件増加しています。
業種別の請求件数
業種別で最も請求件数が多かったのは、運輸業・郵便業の道路貨物運送業で145件(内40件が過労死)でした。
以下は、次のとおりです。
サービス業のその他の事業サービス業:75件
宿泊業・飲食サービス業の飲食店:59件
建設業の職別工事業:39件
総合工事:38件
医療・福祉の社会保険・社会福祉・介護事業:38件
運輸業・郵便業の道路旅客運送業:30件
業種別の認定件数
業種別で最も労災と認定された件数が多かったのは、運輸業・郵便業の道路貨物運送業で83件(内27件が過労死)でした。
以下、宿泊業・飲食サービス業の飲食店の24件、サービス業のその他の事業サービス業の10件と続きます。
職種別の認定件数
脳・心臓疾患で労災と認定された職種で最も多いのは、輸送・機械運転従事者の自動車運転従事者で85件(内25件が過労死)でした。
以下は、次のとおりです。
サービス職業従事者の飲食物調理従事者:20件
管理的職業従事者の法人・団体管理職員:16件
運搬・清掃・包装等事業者の運搬従事者:13件
サービス職業従事者の接客・給仕職業従事者:11件
年齢別の認定件数
年齢別でみると、50代の88件が最も多く、次いで40代の85件、60代以上の41件と続きます。
時間外労働時間別の認定件数
1か月又は2か月~6か月における1か月平均の時間外労働時間でみると、80時間以上100時間未満の88件(内28件が過労死)が最多です。次に、100時間以上120時間未満の54件(内24件が過労死)が続きます。
80時間未満をみると、60時間以上80時間未満の13件、45時間以上60時間未満の2件が労災と認定されています。