新型コロナウイルスに関する労災請求の件数等について、厚労省から統計が発表されています。
新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等
厚労省が「新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等」を発表しています。2021年4月23日18時時点における都道府県労働局から厚労省が報告を受けた数字が、公開されています。
この統計では、①医療従事者等・②医療従事者等以外・③海外出張者の3つの業種ごとに、請求件数・決定件数・支給件数がまとめられています。
①医療従事者等
労災の請求件数は、7,991人と当然、全業種の中で最も多くなっています。決定件数は4,388件で、その内、労災と認定されたのは、4,234件です。死亡事案の請求件数は9件で、決定件数が5件で、5件とも労災と認定されています。
業種別の上位3つは、以下のとおりです。
業種 | 請求件数 | 決定件数 | 労災認定件数 |
医療業 | 5,656 | 3,230 | 3,094 |
社会保険・社会福祉・介護事業 | 2,233 | 1,101 | 1,083 |
サービス業 | 67 | 29 | 29 |
②医療業等以外
医療従事者等以外の労働者の請求件数は、2,214件、決定件数は1,144件で内、労災と認定されたのは1,094件でした。死亡事案は、25件の請求があり、決定件数は17件で、その内、労災と認定されたのは16件でした。
医療従事者等以外の労働者についても、業務が原因で新型コロナウイルスに感染したとする労災の請求は、そのほとんどが労災と認められています。
業種 | 請求件数 | 決定件数 | 労災認定件数 |
社会保険・社会福祉・介護事業 | 491 | 272 | 272 |
医療業 | 356 | 205 | 173 |
運輸業・郵便業 | 292 | 131 | 127 |
③海外出張者
新型コロナウイルスの影響で海外渡航が制限されている影響もあるのか、請求件数は13件しかありません。決定件数は12件で、12件とも労災と認定されています。死亡事案の請求件数は2件で、決定件数は1件・労災認定件数は1件となっています。