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令和3年度脳・心臓疾患の労災補償状況


厚労省から令和3年度の脳・心臓疾患の労災補償状況が公表されています。その概要を紹介します。

令和3年度の脳・心臓疾患の労災補償状況

 令和3年度の脳・心臓疾患の労災の請求件数は、753件でした。令和2年度から31件減少しています。労災かどうか?の決定が行われたのが525件で、その内、労災と認定されたのは172件でした。脳・心臓疾患の労災の認定率は、32.8%でした。

 その内、過労死の請求件数は、173件でした。労災かどうか?の決定が行われたのは169件でした。労災と認定されたのは57件でした。過労死の労災率は、33.7%でした。

 ちなみに、複数業務要因災害は、8件中2件が労災と認定されています。

業種別の労災請求件数

 脳・心臓疾患の労災請求権の多い業種の上位5つは、以下のとおりです。

 ①運輸業・郵便業:155件(内、過労死43件)

 ②建設業:105件(内、過労死27件)

 ③卸売業・小売業:92件(内、過労死23件)

 ④製造業:88件(内、過労死21件)

 ⑤医療・福祉:83件(内、過労死9件)

業種別の労災認定件数

 脳・心臓疾患で、労災と認定された件数の多かった業種の上位5つは、以下のとおりです。

 ①運輸業・郵便業:59件(内、過労死22件)

 ②製造業:23件(内、過労死8件)

 ③卸売業・小売業:22件(内、過労死7件)

 ④建設業:17件(内、過労死5件)

 ⑤宿泊業・飲食サービス業:7件(内、過労死2件)

 なお、請求件数5位の医療・福祉は、6件(内、過労死1件)でした。

業種別の労災認定件数②

 脳・心臓疾患で、労災と認定された件数の多い業種をさらに絞ると、上位5つは、以下のとおりです。

 ①運輸業・郵便業の道路貨物運送業:56件(内、過労死20件)

 ②建設業の総合工事:11件(内、過労死2件)

 ③他に分類されないサービス業のその他の事業サービス業:9件(内、過労死3件)

 ④卸売業・小売業のその他の小売業:6件(内、過労死3件)

 ⑤医療・福祉の医療業:5件(内、過労死1件)

 ⑤宿泊業・飲食サービス業の飲食店:5件(内、過労死2件)

職種別の労災認定件数

 脳・心臓疾患の労災と認定された件数の多い職種の上位5つは、以下のとおりです。

 ①輸送・機械運転従事者の自動車運転従事者:53件(内、過労死17件)

 ②管理的職業従事者の法人・団体管理職員:15件(内、過労死6件)

 ③専門的・技術的職業従事者の建築・土木・測量技術者:11件(内、過労死3件)

 ③販売従事者の営業職業従事者:11件(内、過労死2件)

 ⑤販売従事者の商品販売従事者:7件(内、過労死1件)

 ⑤保安職業従事者のその他の保安職業従事者:7件(内、過労死3件)

年齢別の労災認定件数

 脳・心臓疾患の労災認定件数を年齢別でみると、50代の67件(内、過労死20件)が最多です。次いで、40代の55件(内、過労死20件)、60代以上の36件(内、過労死11件)と続きます。

 20代・30代の労災認定件数が多い精神障害と比べると、脳・心臓疾患では、40代以上の年齢が高い労働者が労災と認定されていることがわかります。

時間外労働時間数別の労災認定件数

 脳・心臓疾患で、労災と認定された人を1か月又は2~6か月における1か月平均の時間外労働時間別にみると、上位は、以下のとおりです。

 ①80時間以上100時間未満:63件(内、過労死22件)

 ②100時間以上120時間未満:38件(内、過労死12件)

 ③60時間以上80時間未満:29件(内、過労死11件)

 ④120時間以上140時間未満:10件(内、過労死2件)

 ⑤160時間以上:9件(内、過労死3件)

 短期間の過重業務異常な出来事を除けば、60時間未満で労災と認定されたものはありませんでした。20時間未満でも労災と認定される精神障害と比べると、脳・心臓疾患で労災と認定されるには、時間外労働時間数が重要な要素とされていることがわかります。


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