労災保険の障害補償年金の改定を取上げます。
障害補償年金
業者上災害又は通勤災害によって傷病の治療を受けてきた被災労働者が、治ゆ(症状固定)に至り、後遺障害が残った場合、後遺障害等級に応じて、障害補償年金・障害補償一時金等が支給されます。
後遺障害等級1級~7級が年金として支給されます。
障害補償年金の改定
障害補償年金を受給している労働者の後遺障害の程度が、悪化又は軽減し、他の後遺障害等級に該当する場合、以後、新たに該当する後遺障害等級に応じた障害補償給付を受給します。これを障害補償年金の改定といいます(労災保険法15条の2)。
改定の対象者
対象となるのは、障害補償年金を受給している労働者のみです。したがって、後遺障害等級8級以下で障害補償一時金を受給した労働者の後遺障害が悪化又は軽減しても改定は行われません。
後遺障害の悪化又は軽減
改定の対象となるのは、後遺障害が自然的経過によって、悪化又は軽減した場合です。
業務上外を問わず、新たな傷病により後遺障害の程度が加重したり、後遺障害の原因となった傷病が再発した後に後遺障害の程度が変化した場合などは、改定の対象外です。
改定後の給付
①後遺障害等級1級~7級の範囲内で障害の程度が悪化した場合は、新たに該当する後遺障害等級に応じた障害補償年金が支給されます。
②後遺障害等級8級以下に障害の程度が軽減した場合は、新たに該当する後遺障害等級に応じた障害補償一時金が支給されます。
改定の手続き
障害補償年金を受給している労働者の後遺障害が悪化又は軽減し、後遺障害等級に変更がある場合、労基署長の職権又は労働者の請求により、障害補償給付の変更に関する決定が行われます。