厚労省から令和4年の労働災害発生状況の分析等が公表されています。業種別の労働災害発生状況の概要を紹介します。
製造業の労働災害発生状況
製造業の労災での死亡者数は、前年比9人増加しました。労災による死傷者数は、前年比207人増加しました。
事故類型別では、機械等による「はさまれ・巻き込まれ」が最多です。死亡者数では40%、死亡者数では24%を占めています。
業種別の死傷者数は、食料品製造業の8,133人が最多です。全体の30.5%を占めています。
業種別の死傷者数
製造業の業種別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
業種 | 死傷者数 |
食料品製造業 | 8,133人 |
金属製品製造業 | 3,998人 |
化学工業 | 2,057人 |
輸送用機械製造業 | 1,834人 |
一般機械器具製造業 | 1,740人 |
事故類型別の死傷者数
製造業の事故類型別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
はさまれ・巻き込まれ | 6,416人 |
転倒 | 5,757人 |
動作の反動・無理な動作 | 2,922人 |
墜落・転落 | 2,867人 |
切れ・こすれ | 2,330人 |
建設業の労働災害発生状況
建設業の労災による死亡者数は、前年比3人増でした。一方、労災による死傷者数は、前年比387人減少しました。
事故類型別では、墜落・転落が死亡者数・死傷者数ともに最多でした。死亡者数では全体の41.3%、死傷者数では全体の31.6%を占めています。また、近年、動作の反動・無理な動作が増加傾向にあります。
業種別の死傷者数
建設業の業種別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
業種 | 死傷者数 |
建築工事業 | 7,606人 |
土木工事業 | 3,942人 |
その他の建設業 | 2,991人 |
事故類型別の死傷者数
建設業の事故類型別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
墜落・転落 | 4,594人 |
転倒 | 1,734人 |
はさまれ・巻き込まれ | 1,706人 |
飛来・落下 | 1,318人 |
切れ・こすれ | 1,272人 |
動作の反動・無理な動作 | 940人 |
激突され | 800人 |
高温・低温物との接触 | 233人 |
陸上貨物運送業の労働災害発生状況
陸上貨物運送業の労災による死亡者数は、前年比1人増でした。労災による死亡者数は、前年比225人増でした。
事故類型の死亡者数は、交通事故が最も多く、全体の36.7%を占めています。死亡者数は、墜落・転落が最も多く、全体の25.9%を占めています。なお、墜落・転落の内、トラックに起因物とするものが66.9%を占めています。
事故類型別の死傷者数
事故類型別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
墜落・転落 | 4,294人 |
動作の反動・無理な動作 | 2,940人 |
転倒 | 2,917人 |
はさまれ・巻き込まれ | 1,739人 |
激突 | 1,230人 |
激突され | 892人 |
交通事故 | 809人 |
小売業・社会福祉施設・飲食店の労働災害発生状況
小売業の労災による死傷者数は、前年比11人減少しました。事故類型別では、転倒が最も多く、全体の37%を占めています。
社会福祉施設の労災による死傷者数は、前年比17人減少でした。事故類型別では、動作の反動・無理な動作が最も多く、全体の35%を占めています。
飲食店の労災による死傷者数は、前年比559人増加しました。事故類型別では、転倒が最も多く、全体の30.1%を占めています。
小売業の事故類型の死傷者数
小売業の事故類型の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型別 | 死傷者数 |
転倒 | 6,078人 |
動作の反動・無理な動作 | 2,539人 |
墜落・転落 | 1,786人 |
交通事故 | 1,471人 |
切れ・こすれ | 1,019人 |
社会福祉施設の事故類型別の死傷者数
社会福祉施設の事故類型別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型別 | 死傷者数 |
動作の反動・無理な動作 | 4,475人 |
転倒 | 4,379人 |
墜落・転落 | 814人 |
激突 | 654人 |
交通事故 | 568人 |
飲食店の事故類型別の死傷者数
飲食店の事故類型別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型別 | 死傷者数 |
転倒 | 1,595人 |
切れ・こすれ | 1,075人 |
高温・低温の物との接触 | 816人 |
動作の反動・無理な動作 | 512人 |