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じん肺法の管理区分(労災の周辺知識)


じん肺法の管理区分を取上げます。

じん肺法の概要

 じん肺管理区分に関する最高裁判決を紹介しました。そこで、じん肺法の概要を簡単にまとめておこうと思います。

 じん肺法は、じん肺・合併症・粉じん作業について定義しています(2条1号・2号・3号)。そして、じん肺健康診断の方法(3条)・じん肺管理区分(4条)について規定している法律です。

じん肺健康診断

 事業者は常時粉じん作業に従事する労働者に対して、①就業開始時、②じん肺管理区分に応じて定期的、③定期外、④離職時に、じん肺健康診断を実施する義務があります(7条~9条)。

 じん肺健康診断は、粉じん作業歴とエックス線写真・胸部に関する臨床検査・肺機能検査・結核精密検査・その他省令で定める検査が実施されます。

じん肺管理区分

 事業者は、じん肺健康診断を実施したときは、遅滞なくじん肺の所見ありと診断された労働者について、エックス線写真と健康診断結果を労働局長に提出する義務があります(12条)。

 労働局長は、地方じん肺診査医の診断または審査により、労働者のじん肺管理区分の決定を行います(13条2項)。じん肺管理区分は、管理1から管理4まであります(4条)。

管理区分胸部X線著しい呼吸機能障害
管理1所見なしなし
管理2第1型なし
管理3イ第2型なし
管理3ロ第3型、第4A、Bなし
管理4①第1型~第4型A、B、②第4型C①あり、②あり又はなし

就業上の措置

 事業者は、じん肺健康診断の結果、労働者の健康を保持するため必要と認めるときは、その労働者の実情を考慮し、就業上適切な措置を講じなければなりません(20条の2)。また、適切な保健指導を受けるための配慮をしなければなりません。さらに、じん肺管理区分2または3イの労働者が粉じんにさらされる程度を軽減するため就業場所の変更、作業に従事する時間の短縮などの措置を取らなければなりません(20条の3)。

 なお、これらの事業者の義務は努力義務とされています。

転換手当の支払

 労働局長は、じん肺管理区分が管理3イの労働者が、現に粉じん作業に従事している場合、事業者に粉じん作業以外の作業に常時従事させるべきことを勧奨できます(21条1項)。勧奨を受けた事業者は、粉じん作業以外の作業に常時従事させる努力義務があります(21条2項)。

 労働者が、常時粉じん作業に従事しなくなったときは、事業者はその日から7日以内に、平均賃金30日分の転換手当を支払う義務があります(22条1号)。

 また、労働局長は、じん肺管理区分3ロの労働者が、現に粉じん作業に従事している場合、地方じん肺診査医の意見により、労働者の健康を保持するため必要と認めるときは、事業者に対し、粉じん作業以外の作業に常時従事させるべきことを指示できます21条4項)。この場合の転換手当は平均賃金の60日分です(22条2号)。

療養

 じん肺管理区分が管理4とされた労働者と合併症にり患していると認められる労働者については、療養を要すると規定しています(23条)。


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