2026年7月10日に、改正労災保険法が成立しました。労災保険法の改正で何が変わるのか?をまとめました。
労災保険法が改正
2026年7月10日に、改正労災保険法が成立しました。労災保険法の改正のポイントは、以下のとおりです。
遺族補償給付の支給要件の見直し
遺族補償年金・遺族特別年金等の支給要件が見直されます。遺族補償年金の支給要件は、以下のとおりです。
遺族補償年金の支給要件の内、③年齢要件が見直されます。
年齢要件とは?
遺族補償年金の受給権者が妻の場合、妻は何歳であっても、遺族補償年金を受給できます。しかし、受給権者が妻以外の場合は、年齢要件があります。たとえば、受給権者が夫の場合は、通常は、55歳以上60歳未満でなければ、遺族補償年金は受給できません。

詳細は、以下の「遺族(補償)年金」を参照
改正で夫の年齢要件はなくなる
労災保険法の改正により、夫についての年齢要件はなくなります。夫の年齢にかかわらず、遺族補償年金を受給できるようになります。
なお、受給権者が、父母、祖父母、兄弟姉妹の場合の55歳以上60歳未満という年齢要件は残ります。
遺族補償年金の年金額の見直し
受給権者が遺族1人の場合の場合の遺族補償年金の年金額が見直されます。
現在の年金額
受給権者が遺族1人の場合の場合の遺族補償年金の年金額は、給付基礎日額153日分です。ただし、受給権者が55歳以上の妻又は一定の障害の状態にある場合は175日分が支給されます。
改正後は一律175日分
労災保険法の改正により、受給権者が遺族1人の場合の場合の遺族補償年金の年金額は、一律、給付基礎日額175日分になります。
労災の認定が難しい業務上疾病の療養補償給付等の消滅時効期間の延長
労災保険給付の消滅時効期間は、以下のとおりです。
| 労災保険給付金 | 時効期間 |
| 療養(補償)給付 | 2年 |
| 休業(補償)給付 | 2年 |
| 葬祭料(葬祭給付) | 2年 |
| 遺族(補償)給付 | 5年 |
| 障害(補償)給付 | 5年 |
| 介護(補償)給付 | 2年 |
| 二次健康診断等給付 | 2年 |
労災の認定が難しい業務上疾病の消滅時効期間が5年に
業務上疾病の内、その性質上、労災かどうかの判断が難しいものについては、療養補償給付、休業補償給付等の消滅時効期間が2年から5年に延長されます。
対象の業務上疾病は、政令で指定することになっています。想定されているのは、脳・心臓疾患、精神障害、アスベストによる疾病です。
特別加入団体の要件を法定化
現在、労災保険の特別加入団体の要件は通達等で定められています。労災保険の改正により、労災保険に係る業務や業務災害の防止に関する活動を適切に実施すること等の要件を法令で規定します。
社会復帰促進事業に関する不服申立てを労災保険給付と同じにする
労災の認定や保険給付に関する労基署長の決定に不服がある場合の不服申立ての手続きは、労災保険審査官に対して審査請求を行うことになっています。
一方、社会復帰促進事業の不服申立てについては、行政不服審査法に基づく審査請求を行うことになっています。これを労災の認定や保険給付と同様、労災保険審査官に対する審査請求を行うことにします。
改正労災保険法は2027年4月1日に施行
今回の労災保険法の改正は、2027年4月1日に施行されます。

