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職業性アレルギー性疾患の労災認定


労災保険の業務上疾病のうち、木材の粉じん、獣毛のじんあい等を飛散する場所における業務又は抗生物質等にさらされる業務によるアレルギー性の鼻炎、気管支喘息等の呼吸器疾患を取上げます。

職業性アレルギー性疾患

 職業性のアレルギー性呼吸器疾患を起こす場合に抗原となる物質にさらされる作業環境下において業務に従事することにより発生するアレルギー性の鼻炎・気管支喘息等の呼吸器疾患は、業務上疾病として例示列挙されています(労基法施行規則別表第1の2第4号5)。

木材の粉じん、獣毛のじんあい等

 木材の粉じんとは、米杉・ラワン・リョウブ・クワ等アレルギー性呼吸器疾患の抗原物質を含有する木材の粉じんをいいます。

 獣毛のじんあいとは、ヒツジ・ネコ・ヤギ・ウマ・ブタ等の動物の微細な毛をいいいます。実際には、フケ・ダニ・カビ等が混在した状態でばく露することがあるとされています。

 その他、カキ殻に着生したホヤ・マブシ(蚕がマユを作りやすいようにワラまたはボール紙で作った養蚕用の器具)等を取り扱う際に飛散する粉じんが挙げられています。

抗生物質等

 抗生物質とは、主として微生物が産出する化学物質であって、他の微生物の発育又は代謝機能を抑制する物質をいいます。具体的な例として、ペニシリン・ストレプトマイシン等が挙げられています。

 その他、アスピリン・サルファ剤等の薬剤が挙げられています。

具体的な業務

 アレルギー性呼吸器疾患を起こす場合に抗原となる物質にさらされる作業環境下として、以下の業務が挙げられています。

アレルギー性呼吸器疾患を起こす場合に抗原となる物質にさらされる作業環境下

①木材の粉じん:米杉、ラワン、リョウブ、クワ等の製材、木材加工の業務

②獣毛のじんあい:毛筆の製造、獣医、農夫、実験動物取扱の業務等

③抗生物質:薬品製造の業務、医療業務、薬局における調剤の業務

アレルギー

 アレルギーとは、上記の感作性物質を体内にとり込んだために起こる抗原抗体反応が生体に及ぼす作用のうち、病的な過程をいうとされています。

①アレルギー性の鼻炎

 鼻粘膜におけるアレルギー反応の結果,鼻を支配する副交感神経の興奮が誘発されこのために生ずる鼻疾患をいい、主な症状には、水様性鼻汁、くしゃみ、鼻内そう痒、鼻づまりがあるとされています。

②アレルギー性の気管支喘息

 上記①のアレルギー性鼻炎と同様にアレルギー反応の結果起こる気管支喘息をいうとされています。

③その他

 アレルギー性の喉頭炎等が挙げられています。


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