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じん肺症・じん肺の合併症の労災認定


アスベストによる疾病の内、じん肺症・じん肺の合併症の労災認定を取上げます。

業務上疾病としてのじん肺症・じん肺の合併症

 粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺法に規定するじん肺と合併したじん肺法施行規則第一条各号に掲げる疾病は、業務上疾病として例示列挙されています(労基法施行規則別表第1の2第5号)。

 けい肺、石綿肺、アルミニウム肺等の各種のじん肺の内、療養を要するものが、労災の業務上疾病となります。

じん肺症

 じん肺は、「粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」と定義されています(じん肺法2条1項)。

 じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とし、気道の慢性炎症性変化、気腫性変化を伴った疾病です。これらの病変は、不可逆性のものです。じん肺有所見者に見られる肺気腫や肺性心は、じん肺の病変が高度に進展した結果、出現するものです。

原因

 じん肺の原因となるのは、粉じんです。空気中に含まれる非生物体の固体粒子のことで、ヒュースも含みます。粉じんが呼吸細気管支、肺胞領域に沈着することがじん肺発生の主要因と考えられています。

 石綿肺に見られる粒系5㎛以上の粉じんの気道沈着が、じん肺の発生原因となることが知られています。

石綿肺

 石綿肺は、じん肺の一種です。5~100㎛に及び長い粉じんの吸入が主要因として発症します。細気管支炎の発生が主要な変化です。

 気管支拡張、肺気腫等は、けい肺より早期に起きます。肺機能の低下が著しいのが特徴です。細小気管支の閉塞による小無気肺を加味した肺胞内の粉じん巣形成が起きます。線維化は、けい肺より弱いとされています。石綿粉じんは、肺内では、蛋白質と結びつき黄褐色の石綿小体をつくります。

じん肺の合併症

 じん肺の合併症は、「じん肺と合併した肺結核その他のじん肺の進展経過に応じてじん肺と密接な関係にあると認められる疾病」と定義されています(じん肺法2条1項2号)。

 労災の業務上疾病となるじん肺の合併症は、じん肺管理区分が管理2・3・4と決定された者のじん肺と合併した以下の疾病です。

業務上疾病としてのじん肺の合併症

①肺結核

②結核性胸膜炎

③続発性気管支炎

④続発性気管支拡張症

⑤続発性気胸

⑥原発性肺がん

粉じん作業

 じん肺を発症するおそれのある粉じん作業は、じん肺法施行規則別表に規定されています。

 アスベストの関係では、「石綿を解きほぐし、合剤し、紡績し、紡織し、吹き付けし、積み込み、若しくは積み卸し、又は石綿製品を積層し、縫い合わせ、切断し、研磨し、仕上げし、若しくは包装する場所における作業」が規定されています。

労災の認定

 じん肺症・じん肺の合併症の内、石綿肺(合併症を含む)の労災認定は、石綿による疾病の認定基準について(平成24年3月29日基発329第2号)」によって行われます。

石綿肺

 石綿ばく露作業に従事した労働者に発生した疾病で、じん肺法に規定するじん肺管理区分に基づいて、以下の(1)と(2)のいずれかに該当する場合、労災と認定されます。

石綿肺の労災認定の要件

(1)管理区分4の石綿肺(石綿肺によるじん肺症)

(2)管理区分2・3・4の石綿肺に合併した疾病

にゃソラ

石綿ばく露作業については、以下の「アスベストによる疾病の労災認定」を参照

アスベストによる疾病の労災認定

労災の業務上疾病の内、アスベスト(石綿)による疾病の労災認定について解説します。

にゃソラ

じん肺法の管理区分については、以下の記事参照

原発性肺がん

 じん肺有所見者に発生した原発性肺がんは、じん肺の合併症として扱われます。石綿ばく露作業者に従事してきた労働者に発症した原発性肺がんは、じん肺の管理区分にかかわらず、「石綿にさらされる業務による肺がん又は中皮腫」(別表第1の2第7号8)により労災認定が行われます。


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