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スーパー・小売業の労災-会社に「安全配慮義務違反」を問える?腰痛・転倒の損害賠償-


小売業は、転倒・腰痛といった労災事故の多い職種です。会社に安全配慮義務違反がある場合、労災保険とは別に、会社に損害賠償請求できる可能性があります。

バックヤードでケガした…

ウサラ

小売って安全ってイメージあったけど、実際はめちゃくちゃ危ないんだね…
バックヤードで荷物運んでたら腰がズキッてきたり、品出しで脚立に乗ってて落ちそうになったり…

にゃソラ

小売業は軽作業のようで重労働なんだよ。
転倒、落下、荷物運搬の負担、ワンオペの無理な勤務…危険はたくさんある。
労災だけじゃなくて、安全配慮義務違反の損害賠償も問題になることがあるんだ。

ウサラ

えっ…!会社にも責任が?

労災保険と損害賠償の違い

労災保険会社への損害賠償
目的迅速かつ公正な保護のため必要な補償を行う被った損害の賠償
条件業務中のケガ又は通勤途中のケガ会社に過失(安全配慮義務違反)がある場合
休業損害平均賃金の60%
(特別支給金を含めて80%)
100%
(労災保険の休業補償給付は控除)
慰謝料支給されない請求可能

労災保険

 労災保険は、仕事中のケガ又は通勤途中のケガに対して必要な補償をする保険です。以下のような特徴があります。

労災保険の特徴

①無過失責任:会社に過失がなくても労災保険の給付を受けれる

②補償額の定率化:損害全てが補償されない

③慰謝料が支給されない

損害賠償

 会社に安全配慮義務違反がある場合は、労災保険とは別に、会社に損害賠償請求できます。

 会社は、労働契約上の信義則に基づく義務として、労働者の生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をする義務を負っています(労働契約法5条)。この義務を安全配慮義務といいます。安全配慮義務の内容は、作業環境の整備、安全装置の設置、教育、休憩、健康管理など多岐にわたります。

 運送業では、教育不足や長時間労働をさせていたことが安全配慮義務として問題になることが多いです。

労災保険と損害賠償は併用できる

 労災事故の発生に会社の安全配慮義務違反がある場合、被災した労働者は、労災保険と損害賠償をどちらも請求できます。通常は、労災保険の給付を受けた後、労災保険でカバーされない部分を会社に損害賠償請求するという流れになります。

労災保険と損害賠償

①労災保険でカバーされる部分:治療費、休業損害・後遺障害による逸失利益の一部

②労災保険でカバーされない部分:休業損害・後遺障害による逸失利益の一部、慰謝料

小売業で問題になりやすい安全配慮義務

 小売業で安全配慮義務が問題になるのは、以下のようなケースです。

物理的危険

物理的危険の例

段ボール・商品在庫の山積みによる転倒リスク放置

通路の段差・滑りやすい床を改善しない

脚立・台の不良品使用、安定性の確認を怠る

バックヤードの狭さ・乱雑さによる接触・転倒

マニュアル・教育不足

マニュアル・教育不足の例

重量物の持ち方の教育が不十分

開店前・閉店後の作業手順が未整備

ギリギリの人数で新人が放置される

作業環境

作業環境の危険の例

ワンオペシフトの常態化

トイレ休憩も取れない勤務体制

忙しい時間帯の動線管理がなく、混雑時に事故が発生

冷凍・冷蔵室への出入りで温度差による体調悪化

セール時・棚卸し時の過密作業に対する配慮不足

労務管理

労務管理不全の例

慢性的な人員不足を放置

夜間シフトの安全確保(暴力リスク・強盗リスク)を怠る

長時間労働・短い休憩時間

重量物の運搬を一人に任せ続ける

小売業で安全配慮義務違反が問題になるケース

 小売業で会社の安全配慮義務違反が問題になるケースを紹介します。

スーパーの品出しで腰痛を発症

 人員削減で、若手社員一人に重量物の搬入を押し付けていた。腰痛ベルトの支給や、2人作業の指導はなかった。会社は、「本人の体の使い方が悪い」と主張し、責任を否定

 過重労働の放置、重量物取り扱いルールの不徹底を理由に会社の安全配慮義務違反が認められた。

濡れた床で転倒

 雨の日の清掃中に滑って転倒し骨折した。滑りやすい床で専用の滑りにくい靴は支給されていなかった。また、マットの設置もなかった。会社は、「足元の確認を怠った本人の不注意」と主張し責任を否定。

 転倒防止措置の不備により会社に安全配慮義務違反が認められた。

倉庫での転落

 バックヤードで作業中に脚立から落下し骨折した。バックヤードが高い棚で埋め尽くされているのに、適切な踏み台がなく、不安定な椅子や古い脚立を使わせていた。会社は、「本人の不注意」と主張し責任を否定。

 転落事故の危険性があったにもかかわらず、放置していたとして会社の安全配慮義務違反が認められた。

損害賠償で請求できる内容

 会社への損害賠償で請求できる損害は、以下のような労災保険でカバーされない損害です。

主な損害注意点
休業損害休業補償給付の受給分は請求できない
後遺障害による逸失利益障害補償給付の受給分は請求できない
入通院慰謝料労災保険では支給されない
後遺障害による慰謝料労災保険では支給されない

 介護が必要な重篤な後遺障害が残った場合は、将来の介護費や家屋改造費が損害として請求できます。

会社に損害賠償請求するための証拠

 会社に損害賠償請求するためには、会社に安全配慮義務違反があったことを証明する必要があります。多くの証拠は、労災保険の請求の際に提出した証拠と共通します。

会社に損害賠償するために必要な証拠の例

バックヤードの写真(通路・段差・荷物の積み方)

監視カメラ映像(店舗・バックヤード)

勤務シフト(ワンオペ・人員不足の証明)

業務マニュアル(教育不足の立証)

発注量・棚卸し記録(過負荷作業の実態)

商品重量のデータ

小売業で労災事故に遭われた方へ

 腰痛や転倒など、小売業は安全に見えて、実は労災が多い職場です。これらの事故は、日常動作の延長と思われがちで、安全対策がおろそかになっていることがあります。「ただの不注意」と片付けられがちですが、実は「会社の管理不足」であるケースもあります。

 会社に「安全配慮義務違反」があれば、労災保険とは別に、会社に対して慰謝料や逸失利益などの損害賠償請求が可能です。

「会社との交渉が怖い」

「提示された示談金が適正かわからない」

「会社に損害賠償請求できるかわからない」

 このようなことでお悩みの方は、一人で悩まずに、専門家である弁護士にご相談ください。法律事務所エソラは労災の初回無料相談を実施しています。

rousai

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