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労災保険のメリット制の対象となる事業者の労災保険料認定処分に対する不服申立て


労災保険のメリット制の対象となる事業者の労災保険料認定処分に対する不服申立てを取上げます。

労災保険のメリット制

 労災保険の保険料は、事業主が負担しています。保険料に関しては、事業の種類ごとに、労災保険率が定められています。

 一定規模以上の事業については、個々の事業ごとに、当該事業の収支率に応じて、±40%の範囲内で労災保険料率を増減し、事業主の労災防止努力を促進と労災保険料の負担の公平性を図っています。この制度をメリット制といいます。

 メリット制の対象となる事業主を特定事業主といいます。

労災事故発生による特定事業主への影響

 労災事故が発生し、労災保険給付の額が多くなると、メリット制を介して、特定事業主の労災保険料が増大するという不利益を受ける可能性があります。

 したがって、特定事業主が、労災の認定を争いたいという意向が出てきます。しかし、特定事業主が、労災認定に対して、不服申立てをすることはできないというのが、従前の実務対応でした。

 最高裁も特定事業主が、労災保険の支給決定に対して、取消訴訟を提起することを否定しています(最高裁令和6年7月4日判決)。

メリット制の対象となる特定事業主の労働保険料に関する訴訟における今後の対応について(令和5年1月31日基発131号2号)

 特定事業主による労災認定に対する不服申立てについて、通達が出されました。通達の内容は、従前の実務の取扱いを変更するものです。

特定事業主による労働保険料認定決定取消訴訟

 特定事業主が、労働保険料認定決定に対して、取消訴訟を提起し、労災の支給決定について争う余地を認めています。

 したがって、労働保険料認定決定の取消訴訟において、労災ではないという理由で、労働保険料認定決定が取消される可能性があります。

労働保険料認定決定の取消訴訟後の対応

 労働保険料認定決定の取消訴訟において、労災ではないという理由で、労働保険料認定決定が取消されたとしても、すでに行われた労災保険の支給決定が取消されることはありません。

 したがって、被災労働者が労災保険を受給できなくなることはありません。

実務の影響

 労災認定について、特定事業主が、労災保険料に関する不服申立てを通じて、争うことが認められるようになりました。

 労働保険料認定決定の取消訴訟において、労災ではないと認定されれば、使用者は、当該事故等を労災と扱うことはないのではないでしょうか?

 そうすると、解雇制限(労基法19条)は適用されないとして、解雇されるということも想定されます。

 被災労働者としては、特定事業主の労働保険料認定決定の取消訴訟に、補助参加することが考えられます。しかしながら、取消訴訟が提起されたことを被災労働者がどのようにして把握するのか?という問題があります。

 


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