農薬その他の薬剤の有効成分による疾病の労災認定を取上げます。
農薬その他の薬剤の有効成分による疾病
労基法施行規則別表第1の2第4号第1は、業務上疾病として、「厚生労働大臣の指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)にさらされる業務による疾病であって、厚生労働大臣が定めるもの」を例示列挙している。
同規定による厚生労働大臣の定めは、厚生労働省告示の「労働基準法施行規則の規定に基づく厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定める疾病」に規定されています。
農薬その他の薬剤の有効成分による疾病についても、上記の告示に、①化学物質、②症状又は障害、③症状又は障害の内容が規定されています。
農薬等の薬剤による中毒が発生する可能性のある事業場
農薬等の薬剤による中毒が発生する可能性のある事業場として、以下の3種類が考えられます。
①農薬製造
農薬の合成・調合工場
②農薬散布
農薬を散布する農業従事者、衛生害虫駆除等の職業的散布者
③工業的用途
殺虫・防腐のための木材処理、電線防虫被覆、羊毛防虫加工
農薬の有害作用
農薬の有害作用には、①局所的作用と②全身作用があります。2種類の農薬等の存在により、毒性が増強する場合と減少する場合があります。
①局所的作用
接触性皮膚炎、結膜・角膜炎
②全身作用
経気道吸収、経皮吸収等による全身作用
農薬等の薬剤による疾病の診断
農薬等の薬剤による疾病の診断は、職歴、ばく露した化学物質の種類、ばく露の程度等の確認が重要です。
既往症の把握、中毒症状の詳細な把握、理学的検査・化学的検査の実施等が必要です。
労災の認定
農薬等の薬剤にさらされる業務に従事する労働者から、告示に規定されている症状又は障害が発症したと、労災保険給付の請求があった場合、業務によるものではないという特段の反証がない限り、労災と認定されます。
なお、有機燐系農薬による中毒症については、通達があります。