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労災と脳・心臓疾患


過労による脳・心臓疾患は、労災になりますか?

脳・心臓疾患と労災

 長時間労働などの過労が原因で倒れて搬送された病院で、くも膜下出血や心筋梗塞などと診断された場合、労災の請求を考えるでしょう。しかし、脳・心臓疾患の労災認定は、業務中の事故におるケガの労災認定と異なり、その判断が難しい類型です。脳・心臓疾患の労災認定の概要を解説します。

脳・心臓疾患の労災認定基準

 過労による脳・心臓疾患は、労基法施行規則35条の別表1の2の8号の「長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく憎悪させる業務による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む)若しくは解離性大動脈瘤又はこれらの疾病に付随する疾病」に該当するか?が審査されます。

 過労死は、労災保険の認定実務では、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡と定義しています。そのため、過労死についても上記の労基法施行規則35条の別表1の2の8号の該当性として審査されます。

 最高裁平成12年7月17日判決(判例タイムズ1041号145頁)を受け、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(平成13年12月12日基発第1036号)が作成されました。同認定基準により、脳・心臓疾患の労災認定が行われています。

 認定基準は、令和3年9月15日からは、改定された新基準(基発914第1号令和3年9月14日)に基づいて、脳・心臓疾患の労災認定が行われます。

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改定された新基準については、以下の「脳・心臓疾患の新労災認定基準」も参照

脳・心臓疾患の新労災認定基準

令和3年9月14日、脳・心臓疾患の労災認定基準が改定されました。新基準の概略を解説します。

基本的な考え

 脳・心臓疾患は、発症の基礎となる動脈硬化などの血管病変等が加齢・食生活・生活環境などの日常生活による諸要因や遺伝等による要因により形成され、徐々に進行・憎悪し、ある日突然に、発症します。

 したがって、脳・心臓疾患は、業務上の災害を原因とする疾病ではありません。業務が原因となる職業病でもありません。

 しかし、加齢や日常生活などにおける通常の負荷による血管病変等の形成、進行、憎悪という自然的経過の過程において、業務が血管病変等の形成の直接の要因とはならないものの、業務による過重な負荷が加わることで、血管病変等がその自然的経過を超えて著しく憎悪し、脳・心臓疾患が発症することがあります。

 脳・心臓疾患の発症前に、業務による明らかな過重負荷を受け、そのことが原因で発症したと認められる場合は、労災と認められます。

脳・心臓疾患の労災認定要件

 過労による脳・心臓疾患が、労災と認められるには、業務による明らかな過重負荷を受けたことで、発症の基礎となる血管病変等がその自然的経過を超えて著しく憎悪し、脳・心臓疾患を発症したことが必要です。

対象疾病

 対象疾病は、大きく①脳血管疾患と②虚血性心疾患等の2つに分けられています。

①脳血管疾患

 (1)脳内出血(脳出血)

 (2)くも膜下出血

 (3)脳梗塞

 (4)高血圧性脳症

②虚血性心疾患等

 (1)心筋梗塞

 (2)狭心症

 (3)心停止(心臓性突然死を含む。)

 (4)重篤な心不全

 (5)大動脈解離

業務による明らかな過重負荷

 業務による明らかな過重負荷とは、医学的経験則に照らして、脳・心臓疾患の発症の基礎となる血管病変等をその自然的経過を超えて著しく憎悪させ得ることが客観的に認められる負荷と定義されています。

 認定基準は、以下の3つに整理しています。

業務による明らかな過重負荷

①長期間の特に過重な業務

②短期間の特に過重な業務

③異常な出来事

①長期間の過重業務

 発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労した類型です。その評価期間は、発症前のおおむね6か月間

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詳細は、以下の「脳・心臓疾患の労災認定基準における長期間の過重業務」を参照

脳・心臓疾患の労災認定基準における長期間の過重業務

脳・心臓疾患の新労災認定基準における長期間の過重業務の概要を説明します。

②短期間の過重業務

 発症に近接した時期において、特に過重な業務に就労した類型です。その評価期間は、発症前おおむね1週間です。

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詳細は、以下の「脳・心臓疾患の労災認定基準における短期間の過重業務」を参照

脳・心臓疾患の労災認定基準における短期間の過重業務

脳・心臓疾患の新労災認定における短期間の過重業務の概要を説明します。

③異常な出来事

 発症直前から前日までの間に、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事に遭遇した類型です。その評価期間は、発症直前から前日までの間です。

脳・心臓疾患の労災認定基準における異常な出来事

脳・心臓疾患の新労災認定における異常な出来事の概要を説明します。

長時間労働の評価

 最近、問題となっている長時間労働については、以下の具体的な基準が示されています。労災の認定の際にいう時間外労働とは、1週間40時間を超過する労働時間のことをいいます。

 脳・心臓疾患の労災認定基準では、長期時間労働は、以下のように評価されます。

 ①発症前1か月間~6か月間にわたり、1か月当たり45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症の関連性は弱い。

 ②発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間~6か月間にわたり、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合、業務と発症の関連性は強い。

 ③休日のない連続勤務が長く続くほど業務と発症の関連性は強くなる。

過労による脳・心臓疾患の労災請求をお考えの方は弁護士に相談を

 脳・心臓疾患の労災認定は、個別の事案ごとに、発症前の労働時間、勤務状況、業務内容、作業環境、心理的負荷、身体的負荷、そして基礎疾患の状況などを詳細に調査し、認定基準に照らして総合的に判断されます。そのため、判断が難しい類型です。

「これは労災になるのだろうか?」とお悩みの場合、ご自身で判断するのは難しいことが多いでしょう。弁護士は、労働者の業務状況を詳細にヒアリングし、必要な資料を収集・分析することで、労災認定の可能性を判断し、適切な手続きをサポートします。

 過労による脳・心臓疾患で、労災請求をお考えの方は、弁護士に相談することをお勧めします。

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