労災保険の保険給付のうち、葬祭料(葬祭給付)を取り上げます。
葬祭料(葬祭給付)
労働者が労災によって死亡した場合、葬儀費用の一部を填補する目的で支給される保険給付が、葬祭料(葬祭給付)です(労災保険法17条)。
支給権者
葬祭料は、被災労働者の葬祭を行う者に対して支給されます。
葬祭を行う者とは、社会通念上、葬祭を行うべき被災労働者の遺族のことです。事業主である会社が厚意的に社葬を行っても、会社に葬祭料が支払われるわけではありません。
ただし、被災労働者の遺族が葬儀を執り行わないことが明らかで、事業主や友人が葬儀を執り行った場合は、事業主や友人が支給を受けることができる場合があります。
支給要件
葬儀を執り行った場合に、請求することができます。請求に際しては、葬儀が行われたことを証明する葬儀執行証明書を添付する必要があります。
支給額
現実に支出した葬儀費用の金額に関係なく、以下のいずれかの高い方が支給されます(労災保険規則17条)。したがって、実際にかかった葬儀費用の金額を明らかにする必要はありません。
葬祭料の支給額
①被災労働者の給付基礎日額の30日分+31万5,000円
②被災労働者の給付基礎日額の60日分