厚労省から平成29年度の「過労死等の労災補償状況」が公表されました。その内、脳・心臓疾患についての統計資料を紹介します。
平成29年度 脳・心臓疾患の労災補償状況
平成29年度は840件の請求に対して664件について決定がなされました。労災と認定されたのは、253件で労災の認定率は38.1%でした。
その内、過労死の請求件数は241件で、236件について決定がなされました。過労死について労災と認定されたのは236件で、労災の認定率は39%でした。
業種別の請求件数
脳・心臓疾患の労災の請求件数が最も多い業種は、運輸業・郵便業で188件でした。次に115件の卸売業・小売業、112件の建設業が続きます。
さらに業種を分類すると、運輸業・郵便業の内、道路貨物運送業の145件が最も多く、建設業・総合工事が45件、宿泊業・飲食サービス業の41件が続きます。
業種別の認定件数
脳・心臓疾患の労災の認定件数が最も多い業種は、99件の運輸業・郵便業でした。次に35件の卸売業・小売業、24件の製造業と続きます。
さらに業種を分類すると、運輸業・郵便業の道路貨物運送業の85件が最も多く、宿泊業・飲食サービス業の19件、卸売業・小売業の11件が続きます。
職種別の認定件数
脳・心臓疾患の職種別の労災認定件数が最も多い職種は、輸送・機械運転従事者で89件でした。次いで、36件のサービス職業従事者、29件の販売従事者、25件の専門的・技術的職業従事者と続きます。
さらに職種を分類すると、輸送・機械運転従事者の自動車運転従事者の89件が最多です。管理的職業従事者の法人・団体管理職員の21件、サービス職業従事者の飲食物調理従事者の18件、販売従事者の営業職業従事者、商品販売従事者の14件が続きます。
年齢別の認定件数
40代と50代がそれぞれ97件と最も多く、20代は最小の3人でした。なお、20代の3人の内、2人は過労死でした。
時間外労働別の認定件数
80時間以上100時間未満が101件と最も多く、100時間以上120時間未満が76件と続きます。45時間未満での認定件数は、0でした。