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平成30年労働災害発生状況の概要


厚労省から平成30年の労働災害発生状況が公表されました。その概要を紹介します。

労働災害発生状況の概要

 平成30年の労働災害による死者は、909人で前年より69人減少しました。しかし、休業4日以上の死傷者数は、12万7,329人で前年より6,869人増加しています。

死亡災害

 製造業は前年比で14.4%増加しましたが、建設業、林業、陸上貨物運送業では減少しました。

 事故類型では、墜落・転落、交通事故、機械等のはさまれ・巻き込まれ、激突といった件数の多い労働災害が減少しています。

休業4日以上の死傷災害

 製造業、陸上貨物運送業、建設業、小売業、社会福祉施設、飲食店の第13次労働災害防止計画におけるすべての重点業種で、件数が増加しています。

 事故類型では、転倒、墜落・転落、腰痛等の動作の反動・無理な動作、機械等によるはさまれ・巻き込まれといった件数の多い事故類型で増加しています。

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腰痛に関して、以下の「災害性腰痛の労災認定」を参照

災害性腰痛の労災認定

腰痛が労災となる業務上腰痛には、①災害性腰痛と②被災害性腰痛があります。 災害性腰痛の労災認定基準を解説します。

 特に、転倒は、全ての産業で前年を上回り、全産業で前年比10%以上の増加となっています。なお、転倒による死傷者数のうち、25.7%が60歳以上の女性で、女性の高齢者の労働災害が増加傾向にあるといえます。

業種別の労働災害発生状況

 業種別に、労働災害発生状況の概要を簡単に紹介します。

製造業

 前述のとおり、死亡者数は前年比14.4%増加しました。死傷者数の前年比4.4%増加しています。

 事故類型では、機械等によるはさまれ・巻き込まれが最も多く、労働災害全体の25%以上を占めています。また、労働者の高齢化の影響により、転倒、腰痛等の動作の反動・無理な動作の件数が増加しています。

建設業

 死亡者数は、前年比4.3%減と減少しましたが、死傷者数は、前年比1.6%増と増加しています。

 事故類型では、墜落・転落が最も多く、全体の約40%を占めています。死亡災害では、交通事故の件数が大幅に減少しています。高温・低温物との接触、激突の死傷災害数は大幅に増加しています。

陸上貨物運送業

 死亡者数が前年比25.5%減と減少しましたが、死傷者数は7.6%増と増加しています。

 事故類型では、交通事故が最も多く、全体の約40%を占めています。墜落・転落といった荷役作業時の災害が増加しています。また、熱中症(熱中症の労災認定基準も参照)も増加しています。


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