厚労省から「2024年(令和6年)職場における熱中症による死傷災害の発生状況」が公表されました。その概要を紹介します。
2024年の熱中症の労災補償状況
2024年の職場における熱中症の死傷者数は1,257人でした。これは、統計のある2005年以降、最多です。その内、死亡者数は31人でした。

熱中症の労災に関する以下の各記事も参照
2025年6月1日施行!職場における熱中症対策の義務化
労働安全衛生規則が改正され、2025年6月1日から職場における熱中症対策が義務化されます。 職場における熱中症のリスク ここ数年、猛暑の影響で、職場での熱中症発生リスクが高まっています。熱中症による死亡災害は、2年連続 […]
業務種別の熱中症の死傷者数
業種別の熱中症による死傷者数の上位は、以下のとおりです。
業種 | 死傷者数 |
製造業 | 235人 死亡者数5人 |
その他 | 232人 死亡者数6人 |
建設業 | 228人 死亡者数10人 |
運送業 | 186人 死亡者数3人 |
警備業 | 142人 死亡者数2人 |
例年、職場における熱中症は、製造業と建設業で多く発生しています。この2業種で死傷者数の約40%を占めています。
月別の熱中症の死傷者数
月別の熱中症の死傷者数の上位は、以下の通りです。
月 | 死傷者数 |
7月 | 588人 死亡者数17人 |
8月 | 431人 死亡者数13人 |
9月 | 156人 死亡者数0人 |
当然といえば、当然ですが、7月と8月の2か月で約80%を占めています。
時間帯別の熱中症の死傷者数
時間帯別の熱中症の死傷者数の上位は、以下の通りです。
時間 | 死傷者数 |
9時台以前 | 167人 死亡者数3人 |
15時台 | 160人 死亡者数7人 |
14時台 | 143人 死亡者数3人 |
11時台 | 137人 死亡者数2人 |
10時台 | 126人 死亡者数2人 |
時間帯別では、9時台以前が最多となっています。統計を見ると、どの時間帯でも熱中症が発生していることがわかります。
18時台以降でも熱中症による死亡者数が見られます。日中に重篤な症状が見られなかったが、仕事後や帰宅後に体調が悪化した事案が含まれています。
年齢別の熱中症の死傷者数
年齢別の熱中症の死傷者数の上位は、以下の通りです。
年齢 | 死傷者数 |
65歳以上 | 227人 死亡者数7人 |
55歳~59歳 | 177人 死亡者数8人 |
50歳~54歳 | 164人 死亡者数3人 |
60歳~64歳 | 139人 死亡者数3人 |
45歳~49歳 | 113人 死亡者数4人 |
熱中症による死傷者数は、50歳以上が全体の約51%を占めています。死亡者数は約61%を占めています。高齢者ほど熱中症を発症するリスクが高く、死亡災害に至るケースが多くなっていることがわかります。