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うつ状態?うつ病?本当は適応障害かも


寝付けなくなり、気分が落ち込み、朝起きれない…「うつ状態で1か月の休養加療が必要」と診断書を提出し、休職。1か月後に復職するも、3か月後に再発…本当の病名は適応障害なのかもしれません。

うつ状態って?

ウサラ

主治医に「うつ状態」って言われて診断書をもらたんだけど、うつ病なの?

にゃソラ

「うつ状態」というのは、症状のことです。
「うつ状態」=「うつ病」とは限りません。

うつ状態≠うつ病

 診断書に「うつ状態」と書かれていることがよくあります。「うつ状態」というのは、病名ではなく、症状です。要は、「頭痛」や「腹痛」と書かれているのと同じです。

 「うつ状態」を引き起こす「うつ病」や「適応障害」などの心の病気を診断書に書いてもらわないと、会社が勘違いしたまま、復職フローに進んでしまうことになります。

職場のうつのほとんどは適応障害

 職場のうつの8割~9割は、「適応障害」だと言われています。うつ状態という症状は同じですが、「うつ病」と「適応障害」は異なる病気です。

 適応障害の原因は、環境と自身の適応の問題です。根本治療には、自分のストレス耐性を高め、コミュニケーション能力を高める必要があります。

適応障害の治療は対処療法のみ

ウサラ

通院して薬をもらって休んでるけど、本当にこれで治るのかな?

にゃソラ

薬は「うつ状態」に対する対処療法にすぎません。
個人の課題と外部の課題の両方に対応しないと根本的な解決になりません。

適応障害は脳と身体のサイン

 適応障害の原因は、①個人の課題である内部環境と②外部の課題である外部環境です。①内部環境は、不規則な生活や悩みを誰にも相談できないといった個人の問題です。②外部環境は、膨大な業務や難しい人間関係といった職場や家庭の問題です。

 ①内部環境と②外部環境の自分にとって困難な環境に対応した結果、「うつ状態」という症状が現れます。これは、今までの考え方、やり方、環境、生活の仕方などを変えろという脳と身体からのサインです。

薬物療法は対処療法

 薬物療法は、上記の病気の本態ではなく、うつ状態、不安、不眠といった症状に対する対処療法にすぎません。

 適応障害と診断されても、多くの場合は、病院で適応の問題について、時間を取って対処されることはありません。

復職するにはどうすればいい?

ウサラ

職場に戻ったら、また壊れちゃうかもと思うと怖いよ…

にゃソラ

休職期間中に、しっかり復職に向けた準備をして、復職できるか見極めましょう。

休職期間中に仕事復帰の準備が必要

 会社に復職するには、原則、従前の職務を通常の程度に行える健康状態に回復していることが必要です。その判断は、会社がします。

にゃソラ

復職については、以下の記事も参照

労災で休業中に休業期間が満了-解雇?復職?復職の判断は?-

労災で休業中の労働者について、復職をめぐる問題を取上げます。 労災で休業中に休業期間が満了した 労災での休業は解雇制限がある  「労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業している期間とその後30日間」は、 […]

 休職期間中は、体調の改善・回復だけではなく、復職後に仕事をする準備が必要です。適応障害の場合は、外部環境への適応力を高めること、体調管理の方法を改善するなど、休職前の自分より成長することが再発の防止のために、重要です。

復職の3つのポイント

 復職の可否を判断するのは会社です。会社は復職の可否の判断に当たって、産業医の意見を聞きます。産業医は、以下の3つのポイントで考えているようです。

復帰の3つのポイント

①体調

②業務遂行性

③再発予防

①体調

 日常生活ではなく、就業に準じた体調への回復が求められます。ポイントは以下のとおりです。

体調のポイント

①夜に寝て、朝に起きる

②日中に何らかの活動をしている

③家事は朝や夜に行う→仕事をしているのと同じ時間帯

 →復職が近づくと病院の受診も勤務時間後に行う

④週末の時間の使い方→平日の疲れをリカバリーする等

②業務遂行性

 集中力、ストレス耐性、人間関係の構築力が必要とされます。

 締切のある仕事、ある程度の努力のある仕事ができるか?という観点から判断がされます。また、同僚、仕事の関係者と問題ない人間関係が築けるか?仕事を円滑にできるか?という観点から判断されます。

③再発予防

 適応障害は、環境に対する適応が症状として出現します。その対応が必要です。症状が改善しただけで復職すると、再発する可能性が高いです。

復職フローを決めておく

 会社としても、適応障害で休職した従業員が復職して、すぐに再発するのは困るはずです。そいういった事態を避けるためにも、復職フローをきっちり定めておくことが必要です。

 厚労省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」では、以下のような復職フローが示されています。

休職開始・休職中のケア

管理監督者等によるケア
休職期間中の労働者の安心感の醸成のための対応

STEP
1

主治医による職場復帰可能の判断

労働者から職場復帰可能の診断書が提出
産業医による精査、主治医への情報提供

STEP
2

職場復帰可否の判断、職場復帰支援プランの作成

会社による情報収集、職場復帰可否の判断
職場復帰支援プランの作成

STEP
3

最終的な職場復帰の決定

会社による最終的な職場復帰の決定

STEP
4

職場復帰後のフォロー

職場復帰支援プランの実施状況確認、評価・見直し
職場環境改善
勤務状況、業務遂行能力の評価

STEP
5

適応障害で休業中の方へ

 適応障害は、今までの考え方、やり方、環境、生活の仕方などを変えろという脳と身体からのサインです。休職期間中に、自分自身を見つめ直し成長させる機会でもあります。

 会社に復職する、しないは、どちらが間違いということではありません。必要なのは、ちゃんとした選択ができる情報です。

 復職について、不安に感じたり、疑問がある方は、弁護士にご相談ください。


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