労災事故の中で件数の多い製造業における機械のはさまれ・巻き込まれ事故を取上げます。
プレス機に手を挟まれた…

工場でプレス機に手を挟まれてケガしちゃったんだけど…これって労災になるのかな?自分の不注意だし、会社に迷惑かけるのが怖いよ…

それは立派な労災事故だよ。自分の不注意でも、業務中の事故なら補償対象になるんだ。会社の責任を追及するのとは違うから、安心していいんだよ。
機械のはさまれ・巻き込まれ事故は労災事故の典型
厚労省が公表している「労働災害発生状況」によると、令和6年の労災事故の死傷者数が最も多かったのは、製造業の26,676人でした。
製造業の労災事故類型で最も死傷者数が多かったのが、機械のはさまれ・巻き込まれ事故で6,114人でした。機械のはさまれ・巻き込まれ事故は、労災事故の典型的な事故といえます。
労働者に不注意があっても労災保険の給付を受けれる
労災の認定に労働者の過失、つまり、不注意は関係ありません。つまり、労働者の不注意で労災事故が発生しても、労災保険の給付を受けることができます。
たとえば、労働者自身がプレス機の安全装置を外して作業を行い、手を挟んだという場合も労災となり、労災保険の給付を受けれます。

労働者の過失が問題になるのは、会社への損害賠償請求です。
主な労災保険の補償
プレス機のはさまれ事故で労災と認定された場合の主な労災保険の補償は、以下のとおりです。
治療費
労災保険から治療費が支給されます。労災の指定病院で治療を受けた場合は、病院へ直接、支払われます。労災の指定病院以外で治療を受けた場合は、いったん、治療を立替える必要があります。

詳しくは、以下の「労災の治療費」を参照
休業補償
療養のため仕事ができなかった場合、休業補償給付が支給されます。休業補償給付は、給付基礎日額の60%が支給されます。休業補償給付とは別に、特別支給金として給付基礎日額の20%が支給されます。

詳しくは、以下の「休業(補償)給付」を参照
障害補償給付
後遺障害が残った場合、後遺障害等級に応じて障害補償給付が支給されます。1級~7級は年金、8級~14級は一時金として支給されます。

詳細は、以下の「障害(補償)給付」を参照
労災保険の請求と注意点
労災事故の発生を会社に報告し、会社を通じて労災保険の請求をするのが一般的です。
会社が労災保険の請求に協力しない
会社によっては、様々な理由で、労災保険の請求に協力しないことがあります。
労災保険の請求は、会社を通じて行うことが多いです。しかし、これは会社が手続を代行してるにすぎません。労災保険の請求は労働者が自ら行うものです。
したがって、会社が労災保険の請求に協力しない場合は、直接、労基署に請求することになります。会社が労災保険の請求に協力しない場合は、弁護士に相談するのがいいでしょう。

以下の「会社が労災の手続きをしてくれない」も参照
会社が労災の手続きをしてくれない
労災事故が発生したのにもかかわらず、会社が労災の申請をしてくれないことがあります。会社が労災の申請をしない場合、労働者はどうすればいいのか?を解説します。
プレス機のはさまれ事故に遭った方へ
プレス機などの機械のはさまれ事故は、労災事故の典型です。自分の不注意だから労災にならないのではないか?会社が労災保険の請求をしてくれないなど、労災事故でお悩みの方は、法律事務所エソラへご相談ください。労災の初回相談は無料です。

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