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介護職の労災-腰痛や利用者からの暴力…会社に損害賠償請求できる?-


介護職は腰痛、転倒、利用者からの暴力など労災事故の多い職種です。適切な人員配置や用具がない状態での労災事故は、労災保険だけではなく、会社に損害賠償請求できる可能性があります。

腰を痛めた…

ウサラ

また腰やっちゃった…。
シフトもギリギリでさ、強い人の対応も全部こっち。

ウサラ

「労災申請しても仕事は回らないんだから」って上司に言われたんだけど…これって普通なの?

にゃソラ

全然普通じゃないよ。
介護の職場って、労災だけじゃ補えない会社の責任が問題になることが多いんだ。

ウサラ

えっ⁉労災出たら終わりじゃないの?

にゃソラ

終わりじゃないよ。
人員配置、教育、危険な利用者のケア方針…
会社には「安全に働けるように配慮する義務」があるんだよ。

 介護職で仕事中にケガをした後、会社からこんな説明を受けた人も多いかもしれません。

 「労災は使えるけど、それ以上は無理」

 「今回は不運だった」

 「あなたにも不注意があったよね」

 頭では納得しようとしても、どこか引っかかる感じが残っていないでしょうか?「本当にそれで終わりなのかな?」

介護職に潜む危険

 介護職の現場では、

 ①転倒

 ②転落

 ③腰痛

 ④利用者からの暴力・ハラスメント

 ⑤感染症の感染

 といった事故が繰り返し起きています。

 これらの事故は、いずれも突発的に発生したものではありません。現場の状況次第で、十分に起こり得るものです。つまり、会社にとって、想定外の事故ではないのです。

会社には従業員がケガをしないようにする義務がある

 会社には、仕事中の従業員がケガや病気をせずに安全に働けるように、必要な準備や工夫をする義務があります。この義務のことを安全配慮義務といいます。

 事故が起きる前に

 ・危険を想定していたか?

 ・対策を取っていたか

 ・危険を放置していなかったか?

 が問われます。

 介護職の現場には、介護職ならではの危険があります。その危険に合わせた配慮が求められるのです。たとえば、過重労働を防止するために、適切な人員配置と業務量の調整をすることが求められます。また、従業員が介護職員初任者研修の有資格者であっても、現場の実情に即した実践的な教育をすることが求められます。

労災保険と損害賠償の違い

 労災保険は、事故の原因にかかわらず、国から最低限の補償を受けられる制度です。労災事故の発生について、会社に安全配慮義務違反があった場合には、会社に損害賠償請求できます。

労災保険会社への損害賠償
目的迅速かつ公正な保護のため必要な補償を行う被った損害の賠償
条件業務中のケガ又は通勤途中のケガ会社に過失(安全配慮義務違反)がある場合
休業損害平均賃金の60%
(特別支給金を含めて80%)
100%
(労災保険の休業補償給付は控除)
慰謝料支給されない請求可能

 上記の表のように、労災保険では補えない部分があります。つまり、労災保険で十分とは限らないのです。

労災保険

 労災保険は、仕事中のケガ又は通勤途中のケガに対して必要な補償をする保険です。以下のような特徴があります。

労災保険の特徴

①無過失責任:会社に過失がなくても労災保険の給付を受けれる

②補償額の定率化:損害全てが補償されない

③慰謝料が支給されない

損害賠償

 会社に安全配慮義務違反がある場合は、労災保険とは別に、会社に損害賠償請求できます。

 会社は、労働契約上の信義則に基づく義務として、労働者の生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をする義務を負っています(労働契約法5条)。この義務を安全配慮義務といいます。安全配慮義務の内容は、作業環境の整備、安全装置の設置、教育、休憩、健康管理など多岐にわたります。

 介護職では、人員の不足や福祉器具の不使用・教育不足が安全配慮義務として問題になることが多いです。

労災保険と損害賠償は併用できる

 労災事故の発生に会社の安全配慮義務違反がある場合、被災した労働者は、労災保険と損害賠償をどちらも請求できます。通常は、労災保険の給付を受けた後、労災保険でカバーされない部分を会社に損害賠償請求するという流れになります。

労災保険と損害賠償

①労災保険でカバーされる部分:治療費、休業損害・後遺障害による逸失利益の一部

②労災保険でカバーされない部分:休業損害・後遺障害による逸失利益の一部、慰謝料

介護職で問題になりやすい安全配慮義務

 介護職で安全配慮義務が問題になるのは、以下のようなケースです。

物理的危険(設備・介助作業)

物理的危険の例

移乗介助での腰痛

スライディングシート・リフト等の福祉器具の未導入

夜勤中の一人体制での重介助

教育・マニュアル

教育・マニュアルの例

新人への十分な教育なし

危険利用者への対応マニュアルが不備

暴力リスクの情報共有なし

作業環境

作業環境の例

極度の人員不足

過密シフト(休憩なし)

感染症対策の不備(手袋・防護具不足)

濡れた床、狭い動線などの転倒リスクの放置

介護職で安全配慮義務違反が問題になるケース

 介護職で会社の安全配慮義務違反が問題になるケースを紹介します。

無理な移乗介助による腰痛

 体重の重い利用者の移乗介助。本来はリフト使用や二人対応が推奨されるケースだが、人手不足で「一人でやって」と指示され続け、腰椎症候群を発症した。

 会社は、「腰痛は介護職なら誰でもなる」「自己管理不足」などと主張し責任を否定。

 厚労省の「腰痛予防対策指針」を守らず、リフト未導入や慢性的な人員不足という「構造的な問題」があり、会社の安全配慮義務違反が認められた。

利用者からの暴力による負傷

 「暴力行為がある」と知られている認知症利用者の介助中、顔面を殴打され負傷。以前から現場は「一人対応は危険」と施設長に訴えていた。

 会社は、「利用者のやったことだから会社に責任はない」と責任を否定。

 会社は危険性を認識していた(予見可能性)のに、複数名体制にするなどの対策(結果回避義務)を怠ったとして、会社の安全配慮義務違反を認めた。

入浴介助中の転倒骨折

 入浴介助中、濡れた床で滑って転倒し骨折。業務スケジュールが過密で、清掃や水切りをする時間が与えられていなかった。

 会社は、「足元に注意しなかった本人の不注意」と主張し責任を否定。

 会社の安全管理不備による安全配慮義務違反が認められた。

損害賠償で請求できる内容

 会社への損害賠償で請求できる損害は、以下のような労災保険でカバーされない損害です。

主な損害注意点
休業損害休業補償給付の受給分は請求できない
後遺障害による逸失利益障害補償給付の受給分は請求できない
入通院慰謝料労災保険では支給されない
後遺障害による慰謝料労災保険では支給されない

 介護が必要な重篤な後遺障害が残った場合は、将来の介護費や家屋改造費が損害として請求できます。

会社に損害賠償請求するための証拠

 会社に損害賠償請求するためには、会社に安全配慮義務違反があったことを証明する必要があります。多くの証拠は、労災保険の請求の際に提出した証拠と共通します。

会社に損害賠償請求するために必要な証拠の例

シフト表・人員配置表

ケア記録(暴力の履歴)

事故報告書

介助方法・マニュアル

設備の写真(リフトの未導入など)

利用者を訴えるわけではありません

 損害賠償請求や裁判と聞くと、お世話になった利用者さんやご家族を訴えることになるのでは?と心配される方がいます。損害賠償請求するのは、職場の安全環境を整えなかった会社(施設)です。利用者個人を訴えるわけではありません。

介護職で労災事故に遭われた方へ

 介護職は、入浴介助、移乗、夜勤のワンオペなど身体的にも精神的にも過酷な現場です。「腰痛は介護職の職業病」「認知症の方の暴力は仕方ない」と思わされがちです。しかし、適切な人員配置や用具がない状態での事故は、会社の安全配慮義務違反であり、損害賠償請求できる可能性があります。

「会社の説明に納得できない」

「会社との交渉が怖い」

「提示された示談金が適正かわからない」

「会社に損害賠償請求できるかわからない」

 このようなことでお悩みの方は、一人で悩まずに、専門家である弁護士にご相談ください。法律事務所エソラは労災の初回無料相談を実施しています。

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