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新型コロナウイルス感染症と労災②


新型コロナウイルスが5類感染症になりましたが、労災の扱いはどうなりますか?

新型コロナウイルスと労災

 新型コロナウイルスは、労基法施行規則別表第1の2第6号1又は5の業務上疾病に当たると扱われています(新型コロナウイルスと労災参照)。

 2023年5月8日に、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類になりました。新型コロナウイルスが5類に移行したことで、労災の取扱いについて変更はあるのでしょうか?

5類移行後も労災の取扱いに変更はない

 業務に起因して新型コロナウイルスに感染したと認められれば、労災と認定されます。

 厚労省によると、新型コロナウイルスの5類移行後も労災の取扱いに変更はないとされています。したがって、従前の取扱いが維持されます(新型コロナウイルスと労災参照)。

コロナ後遺症と労災

 新型コロナウイルスに感染し、感染症が消失した後にもかかわらず、様々な症状が残ることがあります。コロナ後遺症などと呼ばれることがありますが、このような症状は労災となるのでしょうか?

新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について(基補発0512第1号令和4年5月12日)

 コロナ後遺症については、令和2年4月28日付の通達がありますが、取扱いを明確にする趣旨でこの通達が出されました。

コロナ後遺症も労災の対象

 コロナ後遺症と呼ばれる感染症が消失した後の症状を厚労省は、「COVID-19後の症状」、「罹患後症状」と呼んでいるようです。

 罹患後症状は、業務により新型コロナウイルスに感染した後の症状で療養等が必要と認められる場合は、労災保険の対象になります。

療養補償給付

 医師により療養が必要と認められる以下の場合、罹患後症状は、労災の療養補償給付の対象になります。

労災と認められる罹患後症状

①「新型コロナウイルス感染症診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント」に記載されている症状に対する療養

②①以外の症状で新型コロナウイルス感染症により新たに発症した傷病に対する療養

③新型コロナウイルス感染症の合併症と認められる傷病に対する療養

 ②の傷病には、精神障害も含まれます。

罹患後症状

 「新型コロナウイルス感染症診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント」では、以下のように説明されています。

 新型コロナウイルス感染後、感染症が消失したにもかかわらず、他に明らかな原因がなく、急性期から持続する症状・経過の途中から新たに、又は再び生じて持続する症状全般をいう。

 罹患後症状の代表的な症状をいくつか挙げておきます。上記手引きには、他にも代表的な症状を挙げています。身体的症状だけでなく、精神的症状も挙げられています。

罹患後症状の代表的な症状

①疲労感・倦怠感

②関節痛

③筋肉痛

④咳

⑤息切れ

⑤記憶障害

⑥集中力低下

⑦頭痛

⑧抑うつ

⑨嗅覚障害

⑩味覚障害

休業補償給付

 罹患後症状により、休業が必要と医師が認めた場合は、休業補償の対象とされています。

障害補償給付

 コロナ「後遺症」というと、後遺障害というイメージがあります。労災保険の後遺障害は、症状固定の状態で残存してる症状、つまり、これ以上、治療しても改善しない症状ということです。

 上記の診療の手引きによると、罹患後症状は、時間の経過とともに一般的には改善が見込まれるということで、療養補償給付の対象とされています。

 つまり、コロナ後遺症と呼ばれることがありますが、罹患後症状は、障害補償給付の対象である後遺障害ではないとされています。

 ただ、十分な治療を行っても症状の改善が見込まれず、症状固定と判断され、後遺障害が残った場合は、障害補償給付の対象となります。この場合、症状固定になるので、療養補償給付や休業補償給付の支給はなくなります。


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