業務起因性とは

 労働災害や業務上疾病が労災と認定されるには,業務遂行性を前提に業務起因性があることが必要です。

 業務起因性とは,業務又は業務行為を含めて,労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にあることに伴う危険が現実化したと経験則上認められることをいいます。裁判例では,業務起因性を業務に内在する危険が現実化したものと認められると表現されることもありますが,意味は同じです。

 つまり,業務起因性とは,その業務に従事しなければ,労働災害が発生しなかったであろうと認められ,その業務に従事していれば,そのような労働災害が発生の蓋然性があると認められる関係があることを意味します。

 労災の認定をめぐる問題は,主として,業務起因性があるかどうかという問題です。

業務との間に相当因果があれば業務起因性がある

 業務と労働災害との間にどの程度の関連性があれば,業務起因性が認められるのか?という点が問題になります。最高裁昭和51年11月12日判決は,公務災害についてですが,次のように判示しています。

 公務上死亡した場合とは,職員が公務に基づく負傷又は疾病に起因して死亡した場合をいい,負傷又は疾病と公務との間には相当因果関係のあることが必要である。

 最高裁判決を前提をすると,業務起因性が認められるには,業務と労働災害との間に条件関係があることを前提に,法的に労災補償を認めるのを相当とする関係があることが必要とする相当因果関係に立っています。

業務上疾病と業務起因性

 災害による負傷の場合の業務起因性については,労働災害と負傷との間の関連性が認められるかどうかによって判断されます。業務が事業主の支配管理下で行われていた場合,労働災害が業務に従事している最中に発生したのであれば,業務起因性が認められます。

 職業病の場合の業務起因性については,労災と業務上疾病で触れたとおりですので,そちらを参照してください。