新型コロナウイルスに感染した場合、労災になることはあるのでしょうか?
新型コロナウイルスに感染した…

コロナに感染したけど、自己責任だよね…

コロナの感染も状況によっては労災になるよ。
新型コロナウイルスは、2023年5月8日に、感染症法上の位置づけが5類になりました。以後、新型コロナウイルスがニュースで取上げられることも減りました。
2025年8月、「ニンバス」と呼ばれる新たな変異株による感染者が増加しています。新型コロナウイルスに感染した場合、要件を満たせば、労災と認定されることがあります。
新型コロナウイルスと労災
新型コロナウイルス感染症は、労基法施行規則別表第1の2第6号1又は5の業務上疾病として、扱われます。労災の認定に当たっては、①医療従事者等と②それ以外の職種に分けて考えられています。
医療従事者等の場合
医師、看護師、介護の業務等に従事する医療従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合、業務以外で感染したことが明らかな場合を除き、原則、労災と認められます。


医療施設等で働いていても患者や利用者と接触する業務に従事していない場合は、医療従事者等として扱われません。
医療従事者等以外の場合
医療従事者等以外の職種の人が新型コロナウイルスに感染した場合は、まず、感染経路の特定の有無が重要です。

感染経路が特定できる場合
感染経路が特定でき、感染源が業務に内在していると認められれば、労災と認定されます。

職場でクラスターが発生した場合が典型です。
感染経路が特定できない場合
感染経路が特定できない場合でも、感染リスクが相対的に高い労働環境下で業務に従事している労働者の場合は、業務によって感染した蓋然性が高いといえます。したがって、業務によって感染したと認められるかを事案ごとに判断します。
感染リスクが相対的に高い労働環境下での業務
①複数の感染者が確認された労働環境下での業務
②顧客等との近接、接触の機会が多い労働環境下での業務

新型コロナウイルスの労災認定の詳細は、以下の記事参照
労災認定のポイント
新型コロナウイルスに感染したことは、PCR検査によって明らかです。したがって、労災認定のポイントは、主に、感染経路です。
医療従事者等の場合
医療従事者等の場合、業務以外で感染したわけではないことを証明すれば、原則、労災と認定されます。同居している家族の感染の有無、私生活での外出の有無、他人との接触の有無等を明らかにする必要があります。
医療従事者等以外の場合
感染リスクが相対的に高い労働環境下での業務に従事していたか?がポイントです。
①同僚が新型コロナウイルスに感染していたこと、②日々不特定多数の人と近距離で会話する仕事をしていたこと等を主張・立証していくことになります。
さらに、私生活で感染したのではないことを明らかにする必要があります。
治療が長引くことも
新型コロナウイルスに感染後、感染症が消失したにもかかわらず、呼吸器、循環器、神経、精神等の症状が残ることがあります。コロナ後遺症と言われている症状です。
コロナ後遺症の症状が現れると、治療が長期に及ぶことがあります。治療が長期にわたるということは、治療費がかかるということです。
コロナ後遺症も労災の対象です。したがって、新型コロナウイルスの感染が労災と認められれば、コロナ後遺症の治療も労災保険の療養補償給付でまかなうことができます。

詳細は、以下の「新型コロナウイルス感染症と労災②」を参照
職場で新型コロナウイルスに感染したと思っている方へ
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけは5類になり、すっかり、話題になることもなくなりました。しかし、新型コロナウイルスに感染すると、コロナ後遺症の症状が続くかもしれません。
労災と認定されれば、労災保険から補償を受けられます。労災は、自分の健康と生活を守る手段です。また、会社に安全配慮義務違反がある場合は、損害賠償請求もできます。
労災と認定されるには、ポイントを押さえて、正しく主張・立証することが重要です。そのためには、専門家である弁護士にご相談ください。
職場で新型コロナウイルスに感染したけど、まだ労災の請求をしていない方、労災かどうかわからない方、まずは、お気軽にご相談ください。法律事務所エソラは、労災の初回相談無料です。

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