労災保険の業務上疾病のうち、屋外における業務によるツツガムシ病を取上げます。
屋外業務によるツツガムシ病
屋外における業務によるツツガムシ病は、業務上疾病として、例示列挙されています(労基法施行規則別表第1の2第6号4)。
ツツガムシ病
ツツガムシ病の病原体は、リッチケア・ツツガムシと呼ばれるリッチケアです。
リッチケアは、微生物の一種です。構造と機能は細菌に似てますが、細菌より小さく、宿主細胞内でのみ増殖するという特性があります。
ツツガムシ病は、リッチケアを保有するダニのツツガムシの幼虫に刺されることにより、感染します。ツツガムシ病の潜伏期間は、5日~13日です。
ツツガムシ病を発症すると、悪寒を伴う高熱を発し、2~3週間続きます。さらに、感染局所の皮膚に刺口という特有の初発病巣が生じます。当初は、丘疹状で、小水疱が生じ、発熱期に一致して壊死を起こします。多くは黒褐色の痂皮を伴った直径数㎜~1cmの病巣となります。
発疹が顕著で、大きさは粟粒大から小豆大で、丘疹状で発病から3~5日後に出現すると言われています。発疹は全身に及びますが、顔面、胸腹部、四肢の屈面に特に多く見られます。
屋外における業務
屋外における業務とは、ツツガムシの幼虫に刺されるおそれのある地域での屋外における業務のことです。
古典的ツツガムシ病は、秋田・新潟・山形県の河川流域が感染のおそれのある地域とされていました。新型ツツガムシ病は、本州・四国・九州の平地又は山地でも感染のおそれがあるとされています。
ツツガムシ病の労災の認定
労災の認定に当たっては、一般的認定要件と医学的診断要件を充足する必要があります。
一般的認定要件
一般的認定要件として、以下の要件の充足が必要です。
ツツガムシ病の労災認定の一般的認定要件
①ツツガムシ病の内容から、病原体の汚染を受けていると明らかに認められる
②ツツガムシ病に特有の症状が出現している
③病原体に感染したと推定される時期から発病までの時間的間隔が、医学上、業務との因果関係の存在を認め得る
④病原体の種類が、業務上、接触した病原体の種類と同一である
⑤業務以外の原因でないこと
医学的診断要件
医学的診断要件として、以下の点について、留意する必要があります。
ツツガムシ病の労災認定の医学的診断要件
①ツツガムシの生息地域における屋外労働に従事した事実の有無、作業内容
②感染経路、侵入門戸、感染部位、潜伏期間等から業務により従事したことの確認
③臨床検査項目
(1)一般症状の検査:特に特有の熱型、発疹等
(2)尿検査:蛋白、ジアゾ反応
(3)血清学的検査:ワイル・フェリックス反応等
(4)ツツガムシ刺咬部の病変、リンパ節の腫脹
④他の疾病との鑑別診断