厚労省から令和3年の労働災害発生状況の分析等が公表されました。業種別の労働災害発生状況の概要を紹介します。
製造業の労働災害発生状況
製造業全体の死傷者数は、2万8,605人で業種別の死傷者数では2位でした。これは、前年比で2,930人・11.4%増でした。事故類型の死傷者数では、機械等によるはさまれ・巻き込まれが最多で全体の22.7%を占めています。
業種別の死傷者数
製造業をさらに業種別に分類すると、死傷者数の上位5つは、以下のとおりです。
①食品製造業:8,890人
②金属製品製造業:4,183人
③化学工業:2,301人
④輸送用機械等製造業:2,076人
⑤一般機械器具製造業:1,881人
事故類型の死傷者数
製造業の事故類型の死傷者数の上位5つは、以下のとおりです。
①はさまれ・巻き込まれ:6,501人
②転倒:5,332人
③墜落・転落:2,944人
④動作の反動・無理な動作:2,929人
⑤切れ・こすれ:2,319人
陸上貨物運送業の労働災害発生状況
陸上貨物運送業の死傷者数は、1万6,732人で業種別の死傷者数の4位でした。前年比917人・5.8%増でした。事故類型の死傷者数は、墜落・転落が最多で26.9%を占めています。
事故類型別の死傷者数
事故類型の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
①墜落・転落:4,496人
②動作の反動・無理な動作:2,984人
③転倒:2,813人
④はさまれ・巻き込まれ:1,605人
⑤激突:1,212人
⑥交通事故(道路):839人
最多の墜落・転落の中でもトラックを起因物とするものが、3,083人で68.6%を占めています。
建設業の労働災害発生状況
建設業全体の死傷者数は、1万6,079人で業種別の死傷者数では5位でした。これは、前年比1,102人・7.4%増でした。事故類型の死傷者数は、墜落・転落が最多で30.3%を占めます。
業種別の死傷者数
建設業の業種別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
①建築工事業:8403人
②土木工事業:4277人
③その他の建設業:3399人
事故類型の死傷者数
建設業の事故類型の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
①墜落・転落:4869人
②はさまれ・巻き込まれ:1676人
③転倒:1666人
④飛来・落下:1363人
⑤切れ・こすれ:1339人
⑥動作の反動・無理な動作:981人
⑦激突され:825人
⑧高温・低温物との接触:210人
小売業・社会福祉施設・飲食店の労働災害発生状況
①小売業・②社会福祉施設・③飲食店の死傷者数は、それぞれ、①1万6860人・②1万8421人・③5095人でした。事故類型の死傷者数は、いずれも転倒が全体の30%前後を占め、その割合が多くなっています。
なお、社会福祉施設の事故類型の死傷者数は、業務上腰痛を含む動作の反動・無理な動作が最多で全体の35.5%を占めます。
小売業の事故類型の死傷者数
小売業の事故類型の死傷者数の上位5つは、以下のとおりです。
①転倒:5893人
②動作の反動・無理な動作:2556人
③墜落・転落:1788人
④交通事故(道路):1552人
⑤切れ・こすれ:1132人
社会福祉施設の事故類型の死傷者数
社会福祉施設の事故類型の死傷者数の上位5つは、以下のとおりです。
①動作の反動・無理な動作:4539人
②転倒:4336人
③墜落・転落:802人
④交通事故(道路):587人
⑤激突:657人
飲食店の事故類型の死傷者数
飲食店の事故類型の死傷者数の上位4つは、以下のとおりです。
①転倒:1390人
②切れ・こすれ:901人
③高温・低温物との接触:757人
④動作の反動・無理な動作:435人