厚労省から令和5年の労働災害発生状況の分析等が公表されています。業種別の労働災害発生状況の概要を紹介します。
製造業の労働災害発生状況
製造業全体の死傷者数は、27,194人でした。業種別の死傷者数では1位でした。これは、前年比で500人・1.9%増でした。
事故類型の死傷者数では、「機械等によるはさまれ・巻き込まれ」が最多です。全体の18%を占めています。
業種別の死傷者数
製造業をさらに業種別に分類すると、死傷者数の上位5つは、以下のとおりです。
業種 | 死傷者数 |
食料品製造業 | 8,363人 |
金属製品製造業 | 4,037人 |
化学工業 | 2,118人 |
輸送用機械等製造業 | 1,972 |
一般機械器具製造業 | 1,724人 |
事故類型の死傷者数
製造業の事故類型の死傷者数の上位5つは、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
はさまれ・巻き込まれ | 6,377人 |
転倒 | 5,823人 |
動作の反動・無理な動作 | 3,191人 |
墜落・転落 | 2,870人 |
切れ・こすれ | 2,327人 |
建設業の労働災害発生状況
建設業全体の死傷者数は、14,414人でした。業種別の死傷者数では5位でした。これは、前年比125人・0.9%減でした。
事故類型の死傷者数は、墜落・転落が最多です。31.6%を占めます。
業種別の死傷者数
建設業の業種別の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
業種 | 死傷者数 |
建築工事業 | 7,510人 |
土木工事業 | 3,852人 |
その他の建設業 | 3,052人 |
事故類型の死傷者数
建設業の事故類型の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
墜落・転落 | 4,554人 |
はさまれ・巻き込まれ | 1,704人 |
転倒 | 1,598人 |
飛来・落下 | 1,234人 |
切れ・こすれ | 1,234人 |
陸上貨物運送業の労働災害発生状況
陸上貨物運送業の死傷者数は、16,215人で業種別の死傷者数の4位でした。前年比365人・1.4%減でした。
事故類型の死傷者数は、墜落・転落が最多で25.9%を占めています。
事故類型別の死傷者数
事故類型の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
墜落・転落 | 4,207人 |
転倒 | 2,960人 |
動作の反動・無理な動作 | 2,902人 |
はさまれ・巻き込まれ | 1,674人 |
激突 | 1,153人 |
小売業・社会福祉施設・飲食店の労働災害発生状況
①小売業・②社会福祉施設・③飲食店の死傷者数は、それぞれ、①16,174人・②14,049人・③5,710人でした。
事故類型の死傷者数は、いずれも転倒が全体の30%前後を占めています。
なお、社会福祉施設の事故類型の死傷者数は、業務上腰痛を含む動作の反動・無理な動作が最多で、全体の34.7%を占めます。
小売業の事故類型の死傷者数
小売業の事故類型の死傷者数の上位5つは、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
転倒 | 5,962人 |
動作の反動・無理な動作 | 2,574人 |
墜落・転落 | 1,698人 |
交通事故(道路) | 1,417人 |
切れ・こすれ | 1,038人 |
社会福祉施設の事故類型の死傷者数
社会福祉施設の事故類型の死傷者数の上位5つは、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
動作の反動・無理な動作 | 4,870人 |
転倒 | 4,772人 |
墜落・転落 | 911人 |
激突 | 693人 |
交通事故(道路) | 627人 |
飲食店の事故類型の死傷者数
飲食店の事故類型の死傷者数の上位は、以下のとおりです。
事故類型 | 死傷者数 |
転倒 | 1,761人 |
切れ・こすれ | 1,083人 |
高温・低温の物との接触 | 954人 |
動作の反動・無理な動作 | 573人 |