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脳・心臓疾患の労災認定基準における「精神的緊張を伴う業務」


脳・心臓疾患の労災認定基準における「精神的緊張を伴う業務」を取上げます。

脳・心臓疾患の労災認定基準

 脳・心臓疾患の労災認定基準は、過重負荷を3つの類型に分けています。そのうちの短期間の過重業務は、精神的緊張を伴う業務かどうか?が考慮されます。

精神的緊張を伴う業務

 認定基準は、精神的緊張を伴う業務を具体的に挙げています。認定基準は、①日常的に精神的緊張を伴う業務と②発症に近接した時期における精神的緊張を伴う業務に関連する出来事の2つに分類しています。

①日常的に精神的緊張を伴う業務

 具体的な業務とそれについての負荷の程度を評価する視点が、挙げられています。

具体的業務 負荷の程度を評価する視点
常に自分、他人の生命、財産が脅かされる危険性を有する業務 危険性の度合、業務量(労働時間、労働密度)、就労期間、経験、適応能力、会社の支援、予想される被害の程度等
危険回避責任がある業務
人命や人の一生を左右しかねない重大な判断や処置が求められる業務
極めて危険な物質を取り扱う業務
会社に多大な損失をもたらし得るような重大な責任のある業務
過大なノルマのある業務 ノルマの内容、困難性、強制性、ペナルティの有無等 業務量(労働時間、労働密度)、就労期間、経験、適応能力、会社の支援等
決められた時間(納期等)どおりに遂行しなければならないような困難な業務 阻害要因の大きさ、達成の困難性、ペナルティの有無、納期等の変更の可能性等
顧客とのトラブルや複雑な労使紛争の処理等を担当する業務 顧客の位置づけ、損害の程度、労使紛争の解決の困難性等
周囲の理解や支援のない状況下での困難な業務 業務の困難度、社内での立場等
複雑困難な新規事業、会社の建て直しを担当する業務 プロジェクト内での立場、実行の困難性等

②発症に近接した時期における精神的緊張を伴う業務に関連する出来事

 出来事とそれについての負荷の程度を評価する視点が、挙げられています。

出来事 負荷の程度を評価する視点
労働災害で大きなけが、病気をした 被災の程度、後遺障害の有無、社会復帰の困難性等
重大な事故や災害の発生に直接関与した 事故の大きさ、加害の程度等
悲惨な事故や災害の体験、目撃をした 事故の被害の程度、恐怖感、異常性の程度等
重大な事故、事件について責任を問われた 事故、事件の内容、責任の度合、社会的反響の程度、ペナルティの有無等
仕事上の大きなミスをした 失敗の程度・重大性、損害の程度、ペナルティの有無等
ノルマを達成できなかった ノルマの有無、達成の困難性等、強制性、達成率の程度、ペナルティの有無等
異動(転勤、配置転換、出向等)があった 業務内容・身分等の変化、異動理由、不利益の程度等
上司、顧客等との大きなトラブルがあった トラブル発生時の状況、程度等

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