労災保険の給付に関し、特別支給金を取り上げます。
労災保険の特別支給金
労災保険の社会復帰促進事業の一環として特別支給金が支給されます(労災保険法29条1項・50条、特別支給金支給規則)。特別支給金は、労災保険の受給権者に労災保険給付と併せて支給されるので、保険給付に準じた性格を持っています。
特別支給金の種類
特別支給金には、次の種類があります(特別支給金支給規則2条)。①~④を特別支給一時金、⑤~⑧をボーナス特別支給金といいます。
労災保険の基礎となる給付基礎日額には、賞与や一時金名目で支給される特別な給与は含まれません。ボーナス特別支給金は、算定すべき事由の発生した日の直前1年間の賞与等を365で割った算定基礎日額を基礎として支給されます(特別支給金支給規則6条)。
①休業特別支給金
休業(補償)給付の支給対象日について支給されます。
休業特別支給金の金額は給付基礎日額の20%です。
つまり、被災労働者は、休業(補償)給付と休業特別支給金の合計で、給付基礎日額の80%を受取ることができます。
②障害特別支給金
障害(補償)給付の受給権者に対して、後遺障害の程度(等級)に応じて、一時金として一括支給されます。
③遺族特別支給金
遺族(補償)年金の最順位の受給資格者又は遺族(補償)一時金の受給権者に、300万円が支給されます。
④傷病特別支給金
傷病(補償)年金の受給権者に対して支給されます。傷病特別支給金は、障害特別支給金の前払的性格を有しているので、後に障害特別支給金を受給することになった場合は、調整が行われます。
⑤障害特別年金
障害(補償)年金の受給権者に対して、後遺障害の等級に応じて支給されます。
※障害(補償)給付参照
⑥障害特別一時金
障害(補償)一時金の受給権者に対して、後遺障害の等級に応じて支給されます。
※障害(補償)給付参照
⑦遺族特別年金
遺族(補償)年金の受給権者に対して、支給されます。
※遺族(補償)年金参照
⑧遺族特別一時金
遺族(補償)一時金の受給権者に対して、支給されます。
※遺族(補償)一時金参照
⑨傷病特別年金
傷病補償年金の受給権者に対して、後遺障害の等級に応じて支給されます。