労災事故の典型である陸上貨物運送業における墜落・転落事故を取上げます。
トラックの荷台から落ちた…

ちょっと足を踏み外しただけなのに…こんな大ケガになるなんて…

運送の現場って、思った以上に転落リスクが高いんだよ。しかも、会社の反応も冷たいことがあるんだ…
陸上貨物運送業における墜落・転落事故
厚労省が公表した令和6年の「労働災害発生状況」によると、墜落・転落事故の死傷者数は、20,699人でした。陸上貨物運送業における墜落・転落事故の死傷者数は、4,188人でした。陸上貨物運送業における墜落・転落事故は、労災事故の典型です。
墜落・転落事故というと高所作業中の事故をイメージしがちです。陸上貨物運送業における墜落・転落事故は、トラック・荷台等の高さ2メートル未満からの転落が多いのが特徴です。
陸上貨物運送業における墜落・転落事故の例
①荷物の積下ろし中にトラックの荷台から転落
②トラックの荷台からリアバンパーに足をかけようとしたところ転落
③荷下ろし作業中にテールゲートリフターから転落
陸上貨物運送業における墜落・転落事故は労災の対象?
労災と認定されるには、①業務遂行性があることを前提に、②業務起因性があることが必要です。
労働者が業務に従事していれば、業務遂行性が認められます。業務起因性は、業務に内在する危険が現実化したという要件です。
荷下ろしなどの作業中に発生した墜落・転落事故は、業務遂行性・業務起因性ともに認められます。
陸上貨物運送業における墜落・転落事故のよくある誤解と注意点
陸上貨物運送業における墜落・転落事故について、よくある誤解と注意点をまとめました。
| よくある誤解 | 正しい理解 |
| 自分の不注意だから労災にならない | 労働者に不注意があっても労災になる |
| 会社が労災と認めないと申請できない | 労災と認めるのは労基署、労働者が労基署に労災保険の請求できる |
| 転落事故は大したケガじゃない | 腰椎・頭部・四肢の重傷例多数。後遺障害が残ることも |
| 運送業は個人事業主だから関係ない | 実態が雇用契約の場合は労災の対象 特別加入してれば労災の対象 |
陸上貨物運送業における墜落・転落事故に遭った際のチェックリスト
陸上貨物運送業における墜落・転落事故に遭った際の行動チェックリストです。参考にしてみてください。
| チェック項目 | 確認ポイント |
| □作業中の墜落・転落事故 | 日時、場所、作業内容、事故状況を記録 |
| □医師の診断書の入手 | 医師に業務中の事故と伝える 労災指定病院の場合は診断書は不要 |
| □雇用契約の有無 | 実態は雇用契約ではないか?委託契約等の内容を確認 |
| □労災保険の請求に必要な資料・書類の入手 | 労基署や弁護士に相談し確認 |
| □労災保険の請求 | 会社が労災保険の請求をしてくれない場合は自分でする |
| □弁護士に相談 | 特に会社が労災保険の請求をしてくれない場合は弁護士に相談するのをおすすめ |
陸上貨物運送業における墜落・転落事故の事例
40代男性ドライバーが、配送先の駐車場で荷下ろし中に、トラックの荷台から約1.2m転落し、橈骨を骨折した。会社からは「不注意だから労災にならない」と言われた。
※業務災害として労災認定、休業補償給付+治療費全額補償+後遺障害等級認定(12級)
陸上貨物運送業における墜落・転落事故でケガをされた方へ
陸上貨物運送業における墜落・転落事故は、労災事故の典型です。直ちに、会社に報告し、病院で治療を受けましょう。そして、日時・場所・作業内容といった事故状況を整理し、労災保険の請求をしましょう。
会社が労災保険の請求の手続きに協力的でない場合は、一人で悩まず、弁護士に相談することで、労災保険の補償を受けられる可能性が広がります。法律事務所エソラは、労災の初回相談は無料です。

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