不眠症が精神障害として労災と認められるか?を取上げます。
夜、眠れない…

夜眠れなくて…これって病気なのかな?
不眠症なんて、労災にならないよね…

不眠症自体は、労災の精神障害の対象の病気じゃないんだ。

でも、うつ病や適応障害の症状として、不眠が考慮されるよ。
最近、夜、眠れなくて辛い。仕事のストレスで不眠症になった。そんな不眠症は、労災と認められるのでしょうか?精神障害として、労災と認められるかを解説します。
労災の精神障害の対象の病気
精神障害の労災認定基準における対象の病気は、ICD-10のF2~F4の精神障害です。
精神障害の対象の病気
F2:統合失調症、統合失調症型障害、妄想性障害
F3:気分(感情)障害
F4:神経性障害、ストレス関連障害、身体性表現性障害

F3の典型がうつ病、F4の典型が適応障害です。
心身症は精神障害の対象の病気ではない
いわゆる心身症も労災の精神障害の対象の病気ではありません。不眠症が心身症だと判断されれば、労災とは認められないことになります。
不眠は精神障害の症状として考慮される
不眠の症状が、精神障害の労災認定に当たって、何の意味もないかというと、そういうわけではありません。うつ病や適応障害の症状として、不眠や睡眠障害が考慮されます。
発病時期の特定で考慮される
不眠・睡眠障害は、精神障害の発病時期の特定に当たって、考慮されます。
精神障害の労災認定は、精神障害の発病前に、仕事による強いストレスを感じる具体的な出来事があったかという審査をします。業務による具体的出来事の評価は、発病前6か月間を対象にします。そのため、精神障害の発病時期の特定が重要になります。
過労自殺の場合、精神科や心療内科を受診していないケースもあります。その場合も精神障害の発病時期を特定する必要があります。
不眠・睡眠障害が、精神障害の発病の兆候として、考慮されることがあります。
不眠症の労災認定のポイント
不眠症の労災認定のポイントをまとめてると、以下のとおりです。
不眠症の労災認定のポイント
①不眠症自体は労災の対象の病気ではない
②うつ病や適応障害の症状の一つとして、不眠・睡眠障害が考慮される
③発病時期の特定の際に、不眠・睡眠障害の症状が考慮される

不眠・睡眠障害の原因であるうつ病や適応障害を発病していることがポイントです。
不眠症で労災をお考えの方へ
不眠症自体が労災と認定されるのは、非常に難しいです。しかし、不眠症の裏には、うつ病や適応障害といった労災の精神障害の対象の病気が隠れているかもしれません。そのような場合は、労災と認められる可能性があります。
労災と認定されれば、労災保険から補償を受けられます。労災は、自分の健康と生活を守る手段です。また、会社に安全配慮義務違反がある場合は、損害賠償請求もできます。
労災事故と異なり、精神障害の労災の認定は難しいです。ポイントを押さえて、正しく主張・立証することが重要です。そのためには、専門家である弁護士にご相談ください。
法律事務所エソラは、労災の初回相談無料です。

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