症状固定や治療終了と言われたら
労災で治療中に、労基署や主治医から、「そろそろ症状固定だ」とか、「今月末で治療終了だ」と言われたら、後遺障害の認定について、検討する時期です。
後遺障害とは?
労災事故によるケガや業務上疾病で治療を続け、最終的に完治するのが理想です。しかし、中には、完治せずに、症状が残ってしまうことがあります。
このような症状を一般的には、後遺症といいます。後遺症の内、労災保険の基準を満たし、障害(補償)給付の対象となるものを後遺障害といいます。
労災保険における後遺障害
労災保険における後遺障害は、「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、治つた場合」に、「身体に障害」(労基法77条)のことです。後遺障害が残った場合、障害の程度に応じて、障害補償給付の対象となります(労災保険法22条の3)。
治ゆ(症状固定)
一般的に、病気やケガが「治った」というと、完治したという意味で捉えられます。しかし、労災保険では、そうではありません。
労災保険では、「治った」ことを「治ゆ」といいます。交通事故の後遺障害の認定や損害賠償でいう症状固定と同じ意味です。簡単にいうと、これ以上、治療しても症状が良くならない状態のことです。
労災保険の後遺障害の認定の流れ
労災保険の後遺障害の認定は、障害補償給付の請求をすることで行われます。自動的に認定されることはありません。また、会社が被災労働者の治療状況を把握していることは少ないと思います。会社から障害補償給付の手続を促すこともないのではないかと思います。
労災保険の後遺障害の認定の手続の流れは、以下のとおりです。
症状固定
労災保険での治療は終了します。
診断書の作成
主治医に労基署に提出する診断書の作成を依頼し、診断書を作成してもらいます。
労基署に障害補償給付の請求
必要な資料を添付し、労基署に障害補償給付の請求をします。
予診票の作成
労基署から予診票が送付されます。予診票に必要な事項を記入します。
労基署での面談
労基署で労基署の職員・労災医員と面談が行われます。
障害補償給付の支給・不支給決定
労基署から障害補償給付の支給又は不支給決定が通知されます。
会社への損害賠償
後遺障害の認定により、損害賠償額が確定します。会社に安全配慮義務違反があれば、損害賠償請求します。
①症状固定
後遺障害の認定の前提として、症状固定になっていることが必要です。
②主治医に診断書の作成を依頼
症状固定後、主治医に障害補償給付請求時に提出する診断書の作成を依頼します。診断書の作成に当たって、後遺障害の認定のためだけに、必要な検査もあります。
診断書作成時には、診断書の作成料を労基署に請求するために、療養の費用の請求書の作成も依頼しましょう。
③労基署に障害補償給付の請求
障害補償給付請求書、診断書、MRI等の画像など、必要な書類・資料を労基署に提出します。
④予診票の提出
障害補償給付の請求後、労基署から「予診票」が送られ、記入・提出が求められます。
予診票には、以下のような事項を記載します。
予診票の記載事項
①負傷した部位
②一番困っていること
③どのような時にどこが痛むか?
④痺れの有無
⑤日常生活に支障をきたすこと
予診票の記載によっては、後遺障害が認定されないこともあります。したがって、予診票の記入には注意が必要です。
⑤労基署での面談
労基署で、労基署の職員と面談が行われます。予診票は、面談時に提出します。
大阪労働局管内の場合は、労災医員との面談も行われます。なお、地方では、労災医員との面談が行われないこともあります。
面談は、診断書・予診票に基づき、症状等について、聞かれます。また、関節の可動域が測定されることもあります。
⑥障害補償給付の支給・不支給決定
労基署での調査の結果、後遺障害と認定されれば、障害補償給付の支給決定がなされ、給付が支給されます。
後遺障害と認定されなければ、不支給決定がなされます。不支給決定に不服があれば、審査請求を行うことになります。
なお、支給決定がされた場合も、後遺障害等級に不服があれば、審査請求ができます。
弁護士に相談を
労災の後遺障害の認定は、交通事故の自賠責保険に比べると、認定されやすいと感じています。
しかし、必要な資料がなければ、適切に認定されません。予診票の書き方で、労働者に不利になることもあります。
したがって、一度、弁護士に相談することをお勧めします。
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