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介護(補償)給付(労災保険給付)


労災保険給付の内、介護(補償)給付を取上げます。

介護(補償)給付

 労災によって傷害を負った被災労働者に、一定の重度の後遺障害が残った場合(労災保険法12条の8第4項)、労災保険から介護(補償)給付として、介護に関する費用が支給されます(労災保険法19条)。

介護(補償)給付の支給要件

 介護(補償)給付を受給するには、被災労働者が、常時又は随時介護が必要な状態で、次の要件を充足していることが必要です。

介護(補償)給付の支給要件

①障害(補償)年金または傷病(補償)年金を受給している

②受給している年金で認定された後遺障害の等級が1級又は2級

③現実に介護を受けている

 上記も要件を満たしていても、被災労働者が、身体障害者療養施設・老人保健施設・特別養護老人ホーム・原子爆弾被爆者特別養護老人ホーム・労災特別介護施設に入所している場合は、介護(補償)給付は支給されません(労災保険法12条の8第4項、労災保険規則18条の3の3)。

介護(補償)給付の支給額

 介護(補償)給付の支給額は、常時介護と随時介護で異なります(労災保険規則18条の3の4)。常時介護と随時介護は、一般的には、食事や排せつなど生命維持に必要な身の回りの動作について常に身体的介護が必要か、適宜の身体的介護で足りるのかという観点からなされます。高次脳機能障害については、身体的介護だけでなく、看視の必要性も加味して判断されます。

常時介護の場合の支給額

 常時介護とは、文字通り、常に介護または看視が必要な場合です。

 現実に介護費用を支出している場合は、1か月10万4,950円を上限として実際に支出した金額が支給されます。

 家族などの近親者の介護を受けていて、現実に介護費用を支出していなくても、1か月5万7,030円が支給されます。

随時介護の場合の支給額

 随時介護とは、常時ではないが、必要に応じて介護または看視が必要な場合をいいます。

 現実に介護費用を支出している場合は、1か月5万2,480円を上限として実際に支出した金額が支給されます。

 家族などの近親者の介護を受け、現実に介護費用を支出していない場合も1か月2万8,520円が支給されます。


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