業務上疾病に付随する疾病の労災での取扱い

業務上疾病に付随する疾病は、労災でどのように扱われますか?

労災保険における業務上疾病に付随する疾病の取扱い

 業務上疾病に付随する疾病とは、業務上の原疾患が原因となって発症した疾病のことです。このような業務上疾病に付随する疾病は、労災保険においては、おおむね原疾患と一体のものとして取扱われます。

業務上疾病に付随する疾病の類型

 業務上疾病に付随する疾病の類型としては、以下のものが考えられます。

業務上疾病に付随する疾病の類型

①業務上疾病の経過中又は進展により、当該業務上疾病との関連で発症するもの

②業務上疾病を母地として、細菌感染等の外因が加わって発症するもの

③業務上疾病に有意な高率で合併するもの

④業務上疾病の治療の際の薬剤の副作用等を原因として発症するもの

 個別の事例ごとに、業務上疾病である原疾患に合併した疾病が業務上疾病に付随する疾病かどうかは、医学的経験則によって、業務と相当因果関係があるか?によって判断されます。

 なお、一般人が通常、り患するような疾病が、たまたま業務上疾病と同時又は後発して合併してとしても、当該合併症については、業務起因性は認められません。

治ゆ後の業務上疾病に付随する疾病

 業務上疾病に付随する疾病は、原疾患である業務上疾病の治療中に発症することが多いですが、中には、原疾患の治ゆ後に発症することがあります。たとえば、原疾患である肺炎の治ゆ後に続発した膿胸が、後に治療の対象になることがあります。