平成28年の業務上疾病の発生状況について、厚労省から統計が発表されました。その一部を紹介します。
平成28年業務上疾病発生状況
厚労省から、業種別・疾病別に統計が発表されています。以下では、その内の疾病別の業務上疾病の発生状況を取り上げます。
負傷に起因する疾病
全体で5,598件発生し、その内26件は死亡例です。
災害性腰痛が4,722件発生しており、負傷に起因する疾病の大部分を占めています。
物理的因子による疾病
異常温度条件による疾病が最も多く650件発生しています。その内の462件は、熱中症で12件が死亡例です。
作業態様に起因する疾病
頸肩腕症候群が最も発生件数が多く153件となっています。重激業務による運動器疾患と内臓脱が75件で続きます。非災害性腰痛は29件発生しています。
その他の作業態様に起因する疾病が53件発生していて、内1件が死亡例です。
その他の疾病
がんを除く化学物質による疾病が213件発生し、内1件が死亡例です。じん肺症は210件発生しています。病原体による疾病は125件発生し、内1件が死亡例です。
脳・心臓疾患
過重な業務による脳・心臓疾患は65件発生し、その内、過労死は29件でした。
精神障害
強い心理的負荷を伴う業務による精神障害は78件で、内過労自殺は7件でした。
その他の業務に起因することが明らかな疾病
業務上疾病として列挙されていないが労災と認定されたものは、78件で、内7件が死亡例でした。