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療養(補償)給付(労災保険給付)


労災保険の保険給付のうち、療養(補償)給付を取り上げます。

療養(補償)給付

 療養(補償)給付(労災保険法12条の8第1項1号)は、業務上災害又は業務上疾病による治療関係費のことです。

 労災保険には、①療養(補償)給付(労災保険法13条1項)と②療養(補償)給付たる費用の支給(労災保険法13条3項)の2つがあります。2つのうち、現物給付、つまり、医療機関に直接支払われる①療養(補償)給付が原則です。

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以下の「労災の治療費」も参照

労災の治療費

労災と認定された場合、治療を受けた病院の治療費はどうなるのか?を解説します。

 労災保険での治療は、政府が必要と認めるものである必要があります(労災保険法13条2項括弧書)。政府が必要と認めるものとは、被災労働者の傷病の治療に医学上一般的に必要と認められ、療養の効果が医学上一般的に期待できるものとされています。

療養の範囲

 療養の範囲は、労基法の災害補償と同様、以下の6つです。

療養補償給付における療養の範囲

①診察

②薬剤・治療材料の支給

③処置・手術その他の治療

④居宅における療養上の管理・当該療養に伴う世話その他の看護

⑤病院への入院・その治療に伴う世話その他の看護

⑥移送

①診察

 医師、歯科医師の診察のことです。

②薬剤、治療材料の支給

 各種の薬の処方と治療上必要な材料の支給のことです。

③処置、手術その他の治療

 包帯の交換・患部の洗浄・点眼・注射・酸素吸入・異物の除去などが処置に含まれます。手術は、切開術・切断術などのことです。

 その他の治療とは、処置・手術以外の療養上必要な治療のことで、理学療法・その他の医学的リハビリテーションが該当します。整骨院の施術もその他の治療に含まれています。

④居宅における療養上の管理、当該療養に伴う世話その他の看護

 在宅患者に対する医師の医学的管理が居宅における療養上の管理です。在宅患者に対する訪問看護が、当該療養に伴う世話その他の看護に該当します。

⑤病院への入院、その治療に伴う世話その他の看護

 入院は、療養上必要と認められる場合に行われます。特別の事情がある場合は、個室の利用が認められます。

 入院に伴う看護には、入院している病院の看護師が看護を行う場合のほか、患者が看護者を付添わせて行う看護も含みます。

⑥移送

 傷病等を被った被災労働者を災害現場、自宅などから医療機関へ移送させることをいいます。また、通院に伴う移送も含まれます。

 なお、被災労働者が死亡した場合の遺体の移送費は含まれません。


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