パワハラが原因でうつ病を発症した場合、労災となるのでしょうか?
パワハラでうつ病に…

パワハラで毎日つらい…心療内科でうつ病って診断されたけど、これって労災になるのかな?

うん、パワハラによるうつ病は、条件を満たせば労災になるよ。
うつ病や適応障害などの心の病気で労災と認定された事例の多くは、パワハラが原因です。どんな場合に労災と認められるのでしょうか?
パワハラによるうつ病は労災の対象
うつ病は、「人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれらの疾病に付随する疾病」として、労災と認められる可能性があります。
うつ病の労災認定に当たっては、厚労省が認定基準を定めています。厚労省の認定基準に即して、労災かどうかが判断されます。
うつ病の労災認定の要件
うつ病の労災認定の要件は、以下の3つです。
うつ病の労災認定の要件
パワハラが業務による強いストレスと認められる?
パワハラによるうつ病が労災と認められるには、パワハラが業務による強いストレスと認められる必要があります。
労災の認定基準が、パワハラを業務による強いストレスと認める例を挙げています。

一般的にイメージするパワハラでは、労災と認められません。

詳細は、以下の「パワハラによる精神障害の労災認定基準」を参照
パワハラによる精神障害の労災認定基準
精神障害の労災認定基準の心理的負荷評価表にパワハラが、具体的出来事として明記されました。精神障害の労災認定基準におけるパワハラの心理的負荷の評価を解説します。
パワハラによるうつ病が労災となる例
以下のようなケースは、パワハラによるうつ病が労災と認定される可能性が高いです。
パワハラによるうつ病が労災となる例
①上司から毎日のように人格を否定するような暴言を繰り返し受け、それが数か月間続いた結果、うつ病を発病し、医療機関で治療が必要になった場合
②業務に必要な情報を一切与えられず、職場内で意図的に孤立させられ、業務から排除された結果、精神的に追い詰められてうつ病を発症した場合
③達成不可能な業務目標を強制され、達成できないと厳しく叱責されることが繰り返された結果、うつ病を発症した場合
パワハラ+αで労災をねらう
上記のとおり、一般的にイメージするパワハラでは、業務による強いストレスと認められません。つまり、労災と認められません。
労災の請求をする場合は、パワハラ+長時間労働のように、パワハラと別の業務によるストレスとなる具体的出来事を合わせて、主張することが多いです。
労災の請求に必要な証拠
パワハラによるうつ病で労災の請求をする場合、以下のような証拠が必要です。
労災の請求に必要な証拠
①医師の診断書、意見書
②パワハラがあったことの証拠:録音、録画、LINE、メール等
パワハラの証拠がない場合
上司等によるパワハラを録音したり、録画した証拠がない場合でも、すぐに労災の請求を諦める必要はありません。パワハラの直接的な証拠はなくても、以下のようなパワハラがあったことを間接的に示す証拠がある場合があります。
パワハラがあったことを間接的に示す証拠
①パワハラがあったことを家族、友人、同僚などにLINEで伝えた
②会社のパワハラの相談窓口に相談した記録
パワハラが原因でうつ病になった方へ
パワハラによるうつ病が労災と認定されれば、労災保険から補償を受けられます。労災は、自分の健康と生活を守る手段です。また、会社に安全配慮義務違反がある場合は、損害賠償請求もできます。
労災事故と異なり、うつ病の労災の認定は難しいです。ポイントを押さえて、正しく主張・立証することが重要です。そのためには、専門家である弁護士にご相談ください。
法律事務所エソラは、労災の初回相談無料です。

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