労災の業務上疾病の内、金属水銀・アマルガム又は水銀化合物による疾病の労災認定基準を取上げます。
金属水銀・アマルガム又は水銀化合物による疾病の認定基準について(昭和52年1月10日基発第13号)
金属水銀・アマルガム又は水銀化合物による疾病は、この認定基準に従って、労災認定が行われます。
認定基準
金属水銀、そのアマルガム及び水銀化合物(アルキル基がメチル基又はエチル基であるアルキル水銀化合物を除く)を取り扱う作業場所における業務に従事した労働者に発生した疾病で、以下のいずれかに該当し、療養が必要であると認められるものは、労災と認定されます。
金属水銀・アマルガム又は水銀化合物による疾病が、労災と認定される要件
(1)以下の①、②の要件をすべて充足する場合
①相当量の金属水銀の蒸気又は水銀化合物の粉じんにばく露する業務に従事している期間がおおむね数週間以上の者について発生した疾病であること(その者がその業務を離れた場合には、その離れた後おおむね6ヵ月以内に発生した
②以下の症状のいずれかが発症した
ア 振せん、運動失調等の神経症状が常時又は繰り返し認められるもの
イ 歯肉炎(歯ぎん炎)、口内炎、咽頭炎、唾液分泌亢進等が常時又は繰り返し認められる
ウ 情緒不安定(焦燥感・不機嫌・怒り易い・気おくれ等)・記憶力減退・不眠・抑うつ・性的無関心・幻覚等の精神症状が認められる
エ 蛋白尿又は血尿が常時又は繰り返し認められる
オ 発赤・皮疹・浮腫・潰瘍等の皮膚又は粘膜の刺激症状が認められる
(2) 業務により高濃度の金属水銀の蒸気又は水銀化合物の粉じんにばく露し、急性中毒症状として、咽喉頭の灼熱感・咳・胸痛・呼吸困難等の呼吸器症状又は発赤・皮診・浮腫・潰瘍等の皮膚若しくは粘膜の刺激症状を呈した疾病