都市ガス配管工にかかる一酸化炭素中毒の労災認定基準を取上げます。

都市ガス配管工にかかる一酸化炭素中毒の認定基準について(昭和43年2月26日基発第646号)

 都市ガス配管業務に従事している労働者に発症した一酸化炭素中毒については,この認定基準に従って,労災認定が行われます。

認定基準

 都市ガス配管業務に従事している労働者がその業務の遂行中,相当量の一酸化炭素に繰り返しばく露された後,以下の該当する症状を呈し,かつ,その症状が他の疾病に起因するものでないことが認められる場合は,労災と認定されます。

症状

 精神症状として人格水準の低下(気楽,不関,芯がない,あき易い等の人格変化),記銘力障害,記憶力障害等が認められ,かつ,以下のいずれかに該当する症状が認められるものが労災と認定されます。

 (1)気脳写により脳室拡大が認められるもの。

 (2)病的な平担脳波,又は徐波が認められるもの。

 (3)視野障害(狭窄又は中心暗点)が認められるもの。

 (4)前庭機能障害が認められるもの。

 (5)以下の①から⑨の症状のうち,いくつかが認められるもの。

  ①著しい頭痛,めまい,疲労感等の自覚症状でいずれもがん固なもの。

  ②自律神経障害

  ③腱射反減弱

  ④筋の易疲労性

  ⑤平衡障害

  ⑥共同運動障害

  ⑦聴力障害,耳鳴

  ⑧マリオット暗点の拡大

  ⑨前記(2)以外の脳波異常

労災認定の留意点

 都市ガス配管工にかかる一酸化炭素中毒の労災認定に当たっては,以下の点に留意することとされています。

 (1)労働者の年齢,職歴,症状発生の時期と経過,とくに,都市ガスの吸入に因る意識混濁又は消失症の有無を参考にすること。

 (2)類似の症状を呈する他の原因に基づく疾病,とくに神経症との鑑別又は合併について十分に考慮すること。

 (3)上記の各症状に対する診断病名は多種多様にわたることが考えられるので,単に診断病名のみをもって認定することなく,医師の各種検査により詳細に把握された症状及び所見を基にして行ない,とくに,精神症状については精神科医の意見を求め慎重に検討すること。

一酸化炭素中毒の治ゆについて

 認定基準では,一酸化炭素中毒の治ゆについても言及しています。

 まず,一酸化酸素中毒による症状が医学上一般に承認された治療によっても,その効果が期待できなくなり,その症状が固定したと認められる時期をもって治ゆとすると他の傷病と同様に一般論を述べた上で,以下の留意点を挙げています。

 (1)一酸化炭素に因る中毒症状は,ばく露から離れて後概ね,2年以内に固定するものと推定されること。

 (2)従来の都市ガスに因る一酸化炭素中毒の症状より勘案するに,臨床症状に多数の動揺が認められても全般として平衡状態に達したと認められる時をもって症状固定の時期とするのが妥当であること。