精神障害の労災認定は,業務による心理的負荷を業務による心理的負荷評価表の具体的出来事に当てはめて評価をします(心理的負荷の評価の仕方参照)。具体的な出来事の類型の②仕事の失敗,過重な責任の発生等を取上げます。

仕事の失敗,過重な責任の発生

 具体的な出来事の類型として仕事の失敗,過重な責任の発生が挙げられています。さらに以下のように細かく分類されています。

業務に関連し,重大な人身事故,重大事故を起こした

 平均的な心理的負荷の強度はⅢとされています。心理的負荷の評価は,事故の大きさ,内容・程度,加害の程度,ペナルティ・責任追及の有無・程度,事後対応の困難性等を総合評価します。

心理的負荷の評価が「強」となる例

 (1)業務に関連し,他人におおむね2か月以上の入院を要する病気やケガ又は労災の障害年金に該当する若しくは原職への復帰ができなくなる後遺障害を残す病気やケガを負わせ,事後対応にも当たった

 (2)他人に負わせたケガの程度は重度ではないが,事後対応に多大な労力を費やした

 (2)には,減給,降格等の重いペナルティを課された,職場の人間関係が著しく悪化した場合を含みます。

会社の経営に影響するなど重大な仕事上のミスをした

 平均的な心理的負荷の強度はⅢとされています。心理的負荷の評価は,失敗の大きさ・重大性,社会的反響の大きさ,損害等の程度,ペナルティ・責任追及の有無・程度,事後対応の困難性等を総合評価します。

 心理的負荷の強度が「強」となる会社の経営に影響する重大な仕事上のミスとは,倒産を招きかねないミス,大幅な業績悪化に繋がるミス,会社の信用を著しく傷つけるミス等を例として挙げています。

 これらの会社の経営に影響する重大な仕事上のミスをし,事後対応にも当たった場合は心理的負荷の強度が「強」とされています。

会社で起きた事故,事件について責任を問われた

 平均的な心理的負荷の強度はⅡとされています。ここでは,本人が直接引き起こしたものではない事故,事件について監督責任等を問われた場合の心理的負荷を評価します。

 事故,事件の内容,関与・責任の程度,社会的反響の大きさ,ペナルティ・責任追及の有無・程度,事後対応の困難性等によって心理的負荷の総合評価を行います。

自分の関係する仕事で多額の損失等が生じた

 平均的な心理的負荷の強度はⅡとされています。ここでは,取引先の倒産等の多額の損失等が生じた原因に本人が関与していないものの,それに伴う対応等による心理的負荷を評価します。

 損失等の程度,社会的反響の大きさ,事後対応の困難性等により心理的負荷の総合評価を行います。

業務に関連して,違法行為を強要された

 平均的な心理的負荷の強度はⅡとされています。違法性の程度,強要の頻度・方法,事後のペナルティの程度,事後対応の困難性等により心理的負荷の総合評価を行います。

 業務に関連し,商慣習としてはまれに行われるような違法行為を命じられ,従った場合が想定されていて,心理的負荷の強度は「中」とされています。