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通勤災害における逸脱・中断と親族の介護(労災の裁判例)


通勤災害の合理的経路からの逸脱・中断に関する裁判例を紹介します。

羽曳野労基署長事件(大阪高裁平成19年4月18日判決)

 合理的経路からの逸脱又は中断があった場合、通勤災害は認められません。しかし、逸脱・中断が、厚生労働省令で定める日常生活上必要な行為に該当する場合、通勤災害は否定されません(労災保険法7条3項但書)。

 平成20年に日常生活上必要な行為に、一定の要件を満たす親族の介護が加わりました。この判決は、そのきっかけになった判決です(通勤災害と逸脱・中断参照)。

事案の概要

 労働者が義父の介護のために、義父の自宅へ1時間40分滞在した後、通常の通勤経路に入る直前の交差点で交通事故に遭遇したという事案で、通勤災害に当たるか?が問題になりました。

裁判所の判断

 義父は、85歳の高齢であり、両下肢機能全廃のため、食事の世話、入浴の介助、簡易トイレにおける排泄物の処理といった日常生活全般について介護が不可欠な状態であったところ、被控訴人夫婦は義父宅の近隣に居住しており、独身で帰宅の遅い義兄と同居している義父の介護を行うことができる親族は他にいなかったことから、被控訴人は、週4日間程度これらの介護を行い、被控訴人の妻もほぼ毎日父のために食事の世話やリハビリの送迎をしてきたこと等を指摘することができる。これらの諸事情に照らすと、被控訴人の義父に対する上記介護は、「労働者本人又はその家族の衣、食、保健、衛生など家庭生活を営むうえでの必要な行為」というべきであるから、労災保険規則8条1号所定の「日用品の購入その他これに準ずる行為」に当たるものと認められる。


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