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労災の特別加入に関する最高裁判決


労災保険の特別加入者について、労災保険給付の対象となるか?を判断した最高裁判決を紹介します。

姫路労基署長事件(最高裁平成9年1月23日判決)

 労災保険に特別加入をしていた事業主について、複数の事業を行っていたことから、労災保険の給付対象となるか?が問題になった事案です。

にゃソラ

労災保険の特別加入については、「労災保険の特別加入制度」を参照

労災保険の特別加入制度

労災保険は労働者が対象ですが、一人親方や中小企業の事業主が加入できる特別加入という制度があります。 労災保険の特別加入制度の概要を解説します。

事案の概要

 Xは、土木工事及び重機の賃貸を業として行っていた者である。Xは、使用する労働者をXが建設事業の下請として請け負った土木工事にのみ従事させており、重機の賃貸については、労働者を使用することなく、請負に係る土木工事と無関係に行っていた。

最高裁の判断

 最高裁は、以下のように、重機の賃貸業務については、労災保険の適用はないと判断しました。

 事業主の特別加入の制度は、労働者に関し成立している労災保険に係る労働保険の保険関係を前提として、保険関係上、事業主を労働者とみなすことにより、当該事業主に対する労災保険法の適用を可能とする制度である。

 Xの加入申請が承認されたことによって、その請負に係る土木工事が関係する建設事業につき保険関係が成立したにとどまり、労働者を使用することなく行っていた重機の賃貸業務については、労働者に関し保険関係が成立していないものといわざるを得ないのであるから、Xは、重機の賃貸業務に起因する死亡等に関し、同法に基づく保険給付を受けることができる者となる余地はない。


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