精神障害の労災認定基準

 精神障害の労災認定基準は,業務による強い心理的負荷があったかどうかを業務による心理的負荷評価表の具体的出来事に当てはめる形で,審査をします(心理的負荷の評価の仕方(精神障害の労災認定基準)参照)。

 具体的出来事に合致する出来事が複数存在する場合もあります。そのような場合,労災の認定基準はどのように扱うのでしょうか?

複数の出来事の評価

 精神障害の発病に影響を与えたとみられる業務による出来事が複数ある場合の心理的負荷の程度の全体的評価は,次のように行います。

(1)それぞれの出来事の全体評価を行う

 それぞれの出来事を心理的負荷評価表の具体的出来事に当てはめ,それぞれの出来事ごとに総合評価を行います。

(2)どれか一つでも心理的負荷の程度が「強」であれば,業務による心理的負荷の強度は「強」

 それぞれの出来事の総合評価の結果,どれか一つでも心理的負荷の強度が「強」と認められれば,業務による強い心理的負荷があったと認定されます。

(3)心理的負荷の程度が「強」の出来事がない場合

 この場合は,複数の出来事が,①関連して生じているのか,それとも②関連なく生じているのかによって,評価の仕方が変わります。

 ①関連して生じている場合は,全体を一つの出来事として評価します。原則として最初の出来事を心理的負荷評価表の具体的出来事に当てはめ,関連して生じた出来事を出来事後の状況として全体評価を行います。

 ②複数の出来事が関連していない場合は,それらの出来事の数,出来事の内容,出来事の時間的近接の程度をもとに全体的な心理的負荷を評価します。

複数の出来事がある場合の心理的負荷の評価のまとめ

 労災認定基準において,複数の出来事がある場合の心理的負荷の評価をまとめると,次のようなイメージになります。

 ①「強」+「中」又は「弱」→「強」

 ②「中」+「中」→「強」又は「中」

 ③「中」+「弱」→「中」

 ④「弱」+「弱」→「弱」

 心理的負荷の強度が「弱」の出来事がいくつあっても,心理的負荷の総合評価は「弱」のままです。心理的負荷の強度「中」の出来事が複数ある場合に,心理的負荷の総合評価が「強」になるわけではないことを押さえておく必要があります。