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労災就学等援護費


労災保険の労災就学等援護費制度を取り上げます。

労災就学等援護費制度

 労災就学等援護費制度は、労災保険の社会復帰促進等事業の一つです(労災保険法29条1項2号)。

 業務上災害又は通勤災害で死亡した被災労働者の遺族や重度の障害を受け又は長期療養が必要になった被災労働者本人で、その子ども等の学費などの支払いが困難と認められる場合に、就学等の状況に応じて、労災就学援護費が支給されます(労災保険規則33、34条)。

 子どもが小学校入学前の労災就労保育援護費(労災保険規則34条)と小学校入学後の労災就学援護費(労災保険規則33条)をまとめて紹介します。

受給者と支給要件

 労災就学等援護費の受給権者は、以下の3つの場合です(労災保険規則33条1項)。

労災就学等援護費の受給権者

①後遺障害等級1級から3級までの障害(補償)年金受給者

遺族(補償)年金受給者

③傷病(補償)年金受給者で、特に重篤と認められる者で在学者等である子と生計を同じくしている者

 そして、支給要件は、以下の2つのどちらかの要件を満たしていることが必要です。

労災就学等援護費の支給要件

(1)被災労働者本人、遺族(補償)年金受給者又はその子どもが学校や専修学校に在学していたり、公共職業能力開発施設で一定の職業訓練を受け、学資等の支弁が困難であること

(2) 被災労働者本人、遺族(補償)年金受給者又はその家族で、就労のために児童を保育所、幼稚園に預けており、その費用を援護する必要があること

支給額

 労災就学等援護費の支給額は、子どもの在籍する学校等により異なります。

子が在籍する学校一人当たりの月額
保育園・幼稚園1万3,000円
小学校1万4,000円
中学校1万8,000円
高校・高等専門学校1年~3年生1万7,000円
大学・高等専門学校の4・5年生3万9,000円

給付基礎日額による制限

 労災就学等援護費は、社会福祉の観点から設けられた制度だとされています。したがって、給付基礎日額が1万6,000円を超える場合は、労災就学援護費の支給は行われません。

不服申立てについて

 労災就学等援護費は、他の労災保険と不服申立ての制度が異なります。まず、審査請求は、各都道府県の労働局長宛てに行います。再審査請求の制度はありません。


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