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全部休業中に会社から給与の一部が支払われている場合の労災保険の休業補償給付等の取扱い


会社から給与の一部の支払いを受けている場合、労災の休業補償給付や健康保険の傷病手当金の給付を受けることはできますか?

全部休業中に会社から給与の一部が支払われている場合の問題

 全部休業中に会社から給与の一部が支払われている場合、労災の休業補償給付や健康保険の傷病手当金の給付を受けることができるのでしょうか?

 以下、労災保険の休業補償給付と健康保険の傷病手当金、それぞれの取扱いを説明します。もっとも、労災保険の休業補償給付と健康保険の傷病手当金の両方を受給できるわけではありません。

労災の休業補償給付の取扱い

 被災労働者が労災保険給付を受けると、使用者である会社は、労基法上の災害補償の責任を免れます(労基法84条1項)。これを逆からいうと、会社が労基法上の災害補償を行った場合は、被災労働者は労災保険給付を受ける権利を失うことになります。

 被災労働者が全部休業中に、会社が支払った給与の金額が平均賃金の60%以上であれば、すでに、使用者の災害補償が行われています。したがって、労災保険の休業補償給付を受けることはできません。

 しかし、平均賃金の60%未満であれば、使用者の災害補償が行われていません。したがって、被災労働者は、労災保険の休業補償給付を受給することができます。ただし、休業補償給付の額は、会社が支払った給与の額を給付基礎日額から控除した額になります(労災保険法14条1項但書)。

健康保険の傷病手当金の取扱い

 健康保険の傷病手当金は、私傷病で会社を休業した場合に、健康保険から支給される給付です。労災の休業補償給付に相当するものといえます。

 しかし、傷病手当金は、労働者が労務に服することができず、賃金が支払われない場合の生活保障として給付され、会社から給与の一部が支払われている場合、傷病手当金との差額分のみ給付を受けることができます。


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