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労災保険と社会保険との調整


労災事故が発生した場合に、労災保険の給付とは別に、厚生年金などの他の社会保険の給付を受けることができる場合があります。労災保険と社会保険の給付が競合する場合の調整について取り上げます。

労災保険と社会保険との競合

 労災保険は、業務上又は通勤による負傷・疾病・障害・死亡に対して保険給付を行います。もっとも、負傷・疾病・障害・死亡自体は、他の社会保険についても給付事由となっています。

 そのため、労災保険と他の社会保険の給付が競合することから、両者の間を調整する必要が生じます。

年金保険法との関係

 同一事由に基づき労災保険の保険給付と厚生年金等の年金保険の給付が競合する場合、次のように調整されます。

 労災保険の障害補償、遺族補償等が一時金の形で支給される場合は、厚生年金の障害手当金は不支給になります。そして、障害厚生年金、遺族厚生年金は6年間支給が停止されます。つまり、労災保険からの給付は完全に行われ、社会保険の給付で調整されることになります。

併給調整

 労災保険の年金と厚生年金等の年金が同一事由に基づいて競合する場合は、労災保険の年金額に政令で定められた調整率に応じて、労災年金が減額支給されます(労災保険法15条2項・18条1項・別表第一)。これを併給調整といいます。

社会保険の種類 併給される年金給付 障害(補償)年金 遺族(補償)年金
厚生年金・国民年金

障害厚生年金

障害基礎年金

0.73  

遺族厚生年金

遺族基礎年金

  0.80
厚生年金 障害厚生年金 0.83  
遺族厚生年金   0.84
国民年金 障害基礎年金 0.88  
遺族基礎年金   0.88

 厚生年金等の年金が被災者の生活の基本的部分をカバーするもので、全額支給することが望ましいと考えられていることから、厚生年金等の年金が全額支給され、労災年金が減額されます。

 労災保険の休業(補償)給付についても、他の年金の障害年金と競合する場合には、労災保険の休業(補償)給付が減額支給されます。

老齢年金との関係

 労災年金と厚生年金等の年金を併給受給している者が、老齢年金の支給開始年齢に達して、老齢年金を選択した場合の調整は、次のように行われます。

 従来全額支給されていた障害厚生年金・障害基礎年金等の支給は停止されます。労災年金で行われていた併給調整は行われなくなり、労災年金が全額支給されます。

 したがって、労災年金と老齢年金の全額が支給されることになります。


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